「雲心鶴眼」と揮毫する天満谷さん（左）

　函館護国神社（大橋幸生宮司）で１９日、世界平和と新型コロナウイルス禍の終息を願う奉納揮毫（きごう）が行われた。書家で函館西高校の天満谷貴之教諭（４５）が「欲がなく無心であること」を意味する「雲心鶴眼（うんしんかくがん）」と書き上げ、思いが広まっていくよう願いを込めた。

　書文化を通じた平和活動を進める名古屋市の団体「和プロジェクトＴＡＩＳＨＩ」（宮本辰彦代表）が毎年、国連の国際平和デー（２１日）に合わせて、全国の護国神社などで高校生や書家を交えて平和揮毫を進めている。

　大橋宮司による神事の後、天満谷教諭らが玉ぐしをささげた。同校の放送局員が「世界平和に貢献する国としてリーダーシップを発揮するとき」とする宮本代表のメッセージを紹介。揮毫には天満谷教諭が指導する書道部員も協力した。

　「雲心鶴眼」は中国・唐代の詩人白居易の漢詩の一節。世界平和やコロナ禍の状況を鑑みて選んだという。天満谷教諭は「（悪い）欲を持っていると良い方向へと進まない。仲良く温かい気持ちで進んでいくよう思いを持って書いた」と述べた。

　書は後日、同神社の本殿に吊り下げて展示する。