大みこし、例大祭に華 苫小牧鳳凰睦、樽前山神社に昨年末奉納
みこし同好会の「苫小牧鳳凰睦(ほうおうむつみ)」(脇田忠会長)が樽前山神社に奉納した新しい大みこしが、3年ぶりに通常開催されている樽前山神社例大祭(14~16日)を華やかに彩っている。大きな屋根に細い胴が特徴の江戸みこし。14日の「宵みこし」でお披露目され、最終日16日も、担ぎみこし渡御(とぎょ)行列に登場予定だ。
新たなみこしは屋根上の鳳凰までの高さが約2メートル、幅は約1・3メートル、重さは約500キロ。同神社の社紋入りで、きらびやかな飾りは彫金や鋳物などの専門職人が手分けして作ったという。
「鳳凰睦」は昨年2月、藤戸漆芸(埼玉県三郷市)の藤戸伸治代表に制作を依頼。室町時代から続く塗師(漆塗り職人)の家柄の藤戸さんはみこし師としても活躍しており、脇田忠会長(65)は「北海道のみこしでも藤戸さんが関わったものが少なく、どれも素晴らしい」と語る。
江戸みこしの職人であることも依頼の決め手となった。これまでは1992年に奉納された重厚な「京みこし」を担いできたが、脇田会長は83年の鳳凰睦立ち上げの際、協力してくれたのが東京のみこし団体で「いつかは江戸みこしを」との思いを秘めてきたと明かす。
コロナ禍が長期化し、地域の祭りが次々と中止される中、脇田会長は閉塞(へいそく)感を打破したい―とみこしの新調を決意。約10カ月を費やして完成し、昨年末、同神社に奉納された。
年明けの境内で一度、担がれているが、今回の例大祭が事実上、市民への初披露となる。
14日夕、市内中心部に繰り出した新しいみこしの担ぎ手たちは気合十分。威勢よく、勇壮に練り歩くと、沿道の人たちにも「きれいだね」「立派だね」などと笑顔が広がった。脇田会長は「コロナに負けない―という思いを込めて発注した。担がれたみこしを見られ、感慨深い。少しでもまちに活気が戻ってくれたら」と願っていた。
16日の担ぎみこし渡御行列は、午後6時に市内の双葉3丁目公園を出発し、午後8時に同神社に到着予定。
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