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函館新聞

「地域発!いいもの」に函館市電の熟練工の技を伝える会【函館】

道内2例目となる「地域初!いいもの」の選定を受けたNPO法人函館市電の熟練工の技を伝える会(前列左から4人目が村上理事長)

 全国各地の技能振興や技能者育成の取り組みを厚生労働省が選定する今年度の「地域発!いいもの」に、函館市のNPO法人函館市電の熟練工の技を伝える会(村上英彦理事長)が選ばれた。ベテラン、若手職員が一体となって整備点検の技術を継承し、市電の安全運行を支えている同NPOの活動が評価された。

 「地域発!いいもの」はものづくり産業分野で地域における特色ある取り組みを進める企業、団体、学校が対象。2016年度から昨年度までの41件に加えて今年度は9件が選ばれた。道内からは同会が昨年度の旭川家具工業協働組合に続き2例目となった。

 同会は06年に発足し、07年から市の委託を受けて市電の点検や修繕を担う。これまで「口頭伝承」が主体だったベテランが培った技術をマニュアル化するなど、整備技術の継承に努めてきた。現在若手3人、ベテラン4人の7人で整備を担う中、三浦昭宏さん(39)を筆頭に継承が進み、4月には新たな若手の採用が決まっている。

 また、市電応援団体の函館チンチン電車を走らせよう会とも連携して、路面電車の魅力を発信し、利用促進も図っている。

 函館市企業局駒場車庫内で16日に伝達式があり、北海道職業能力開発協会(札幌)の今井康夫専務理事から村上理事長に選定証と記念の盾が贈られた。村上理事長は「非常に名誉なこと。設立から17年、伝承の開始から16年がたち、若者が熟練工になりつつある中での受賞は時宜を得た。今後とも受賞を励みに市電を守り、存続することで街づくりにも寄与したい」と謝辞を述べた。

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