教員や後輩らからのお祝いメッセージを背に喜びを新たにする小林さん

　第４２回全国障害者技能競技大会（全国アビリンピック、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構主催）写真撮影部門に全道代表として出場した、函館高等支援学校３年の小林梨乃さん（１７）が金賞（優勝）を受賞した。小林さんは「初出場で金賞は思ってもみなかった。うれしい気持ちでいっぱいです」と喜んでいる。

　大会は１７日に開かれ、障害のある選手３６９人が２５部門で技能を競った。写真撮影部門は１１人が出場し、会場の愛知県国際展示場（常滑市）をパンフレットなどで紹介することを想定してブースや人物などを撮影し、６枚をプリントして出来栄えを競った。

　同校からの全国アビリンピック出場は小林さんが初めて。写真は中学生時代からの趣味だったが、函館商業高校写真部顧問の荻津賢教諭らの指導で腕を磨き、大会に臨んだ。会場では緊張から涙ぐむ場面もあったと言い、審査員からは「将来性を感じる」と高い評価を受け金賞に輝いた。２５部門中、高校生の金賞受賞者は小林さんのみ。

　「以前は生き物や家族など好きなものを撮影していたが、大会出場をきっかけに表現の幅が広がり、見る人への伝わり方を考えながら撮るのが面白いと思うようになった」と小林さん。学校では同級生、後輩らからのお祝いの言葉をもらい、「たくさんの人に支えられて出場できたと実感した」と感謝の思いを新たにした。

　２０２７年にフィンランドで開かれる世界大会の選考会にも出場の可能性があり、「卒業後も趣味のカメラで撮影を楽しみながら腕を磨きたい」と目を輝かせた。