厚岸でトドマツ森林整備 エステーと北都、釧路総合振興局 森づくり協定締結【厚岸】
大手日用品メーカーのエステー(東京都、鈴木貴子社長)と林業会社の北都(釧路市川上町10、山崎正明社長)、釧路総合振興局(菅原裕之局長)は15日、「ほっかいどう企業の森(も)林(り)づくり」協定を締結した。協定に基づき厚岸霧多布昆布森国定公園内の道有林でトドマツの森林整備と木育を行う。エステーが道に500万円寄付して実施するが、民間企業の寄付を財源とするのは初めて。
エステーは、釧路管内に多く植生するトドマツに大気汚染低減や抗酸化機能などの成分が含まれていることに着目。枝葉から精油などを抽出する技術を開発し、精油を使った消臭剤などを「クリアフォレスト」のブランド名で商品展開している。北都は、未利用資源となっている林地残材を収集し、釧白工業団地のプラントで精油を抽出している。3者は2015年に包括連携協定を結び、トドマツの利用促進に向けた事業を行ってきた。
今回、森林整備を行う場所は、あやめケ原に近い厚岸町登(と)喜(き)岱(たい)の道有林1・74㌶で、ネーミングライツにより「エステークリアフォレストの森」と命名。トドマツを植樹し、同振興局森林室が下刈りや更新伐、遊歩道整備などを行う。事業期間は31年度までの10年間。今年10月には、地域の小学生やその父母を招き、エステー社員と家族も参加して植樹祭や木育教室を行う。
協定式でエステーの鈴木社長は「クリアフォレスト事業を育成することでトドマツの知名度を高めて地域の振興につなげ、森づくりに社員が参加することで環境を守っていく意識を強めたい」と協定の意義を述べ、北都の山崎社長は「今回の協定で森林整備の重要性を理解していただき、より多くの企業に森づくりへの取り組みが広がれば」と話した。
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