刻んだ歴史、次代に継承へ 遺愛学院本館が報道公開【函館】
2018年から保存修理工事中の国の重要文化財「遺愛学院本館」(函館市杉並町)が27日、報道陣に公開され、復元した講堂やホールなどがお披露目された。新年度にも校舎としての利用を再開し、遺愛女子高校・中学の生徒たちは「特別な気分にひたれそう」と楽しみにしている。
本館は1907(明治40)年12月に竣工(しゅんこう)し、「北海道における木造学校建築の代表作」として、関係文書とともに2004年に重文指定。保存工事では米国から運ばれたという建築当初の木材をそのまま生かし、傷んだ部分は国産材で補修。会議室として使われていた講堂やホールの仕切りを撤去して創建当時の間取りに戻した一方、外壁は創建時の濃緑色ではなく、長年親しまれたピンク色とし、戦時中に屋根に設置された防空監視所や、古い黒板に重ねて取り付けた黒板など、建物に刻まれた歴史を残している。
本館は4月から校長室、職員室、自習室、特別教室、講堂などとして利用する。報道公開は、仮設足場などが撤去されたタイミングに合わせ「仮設校舎からの引っ越し前に修理が進んだ本館を見てもらいたい」(川嶋秀夫事務長)と実施した。生徒たちの多くも本館を見るのはこの日が初めてで、案内を務めた高校1年の吉原朱音(あかね)さん(16)は「広々とした廊下の、木の温かみに包み込まれる感覚がとても良かった。本館で学ぶ日が楽しみ」と目を輝かせ、沢口雛音(ひなの)さん(同)は中学校入学前、小学5年生の夏にオープンスクールで訪れた改修前の本館に憧れていたといい、「5年前の感激がよみがえった。あと2年、この校舎を使えるのが夢のよう」と喜んだ。
同校は今年、創立150年を迎える。本館は復元中の階段など一部工事を継続するが、9月には完了し、9月28日の記念式典で卒業生や招待客らに公開する。川嶋事務長は「先人たちが大切に使い残してくれたのと同様、現役の校舎として使い続けながら今後の100年に受け継いでいく」と話し、「特定の曜日や時間に限っての一般公開も検討中」としている。
関連記事
GWイベント目白押し 道の駅にぎわう あびらD51、むかわ四季の館 特産品も充実
ゴールデンウイーク(GW)初日の27日、安平町の道の駅あびらD51(デゴイチ)ステーションと、むかわ町の道の駅むかわ四季の館に、大勢の観光客が訪れた。両施設とも地域の特産品を販売しており、町外から...
再整備で立ち入り制限 樽前山7合目駐車場と観光道線
樽前山(1041メートル)の登山道「東山コース」の再整備工事を控え、胆振総合振興局は26日、5月1日から同コースの工事区間に加え、苫小牧市の協力を得て7合目のヒュッテ駐車場と市道「樽前山観光道線」...
GW陽気の幕開け 動物園夏季開園 親子連れ続々【帯広】
ゴールデンウイーク初日の27日、おびひろ動物園(稲葉利行園長)の夏季開園が始まった。この日の帯広市内は正午現在で25.9度の夏日を記録。快晴の下、帽子やサングラスを着用した多くの親子連れが桜...
空港・駅で「ただいま」帰省ラッシュ GWスタート【十勝】
ゴールデンウイーク(GW)初日の27日、とかち帯広空港着の空の便は、首都圏からの帰省や観光地に向かう人らで混雑した。今年のGWは3連休、4連休となるため、空の便は分散化傾向も見られるが、札幌...
伝統の熱闘、三条12連勝 三柏戦で1600人交流【帯広】
帯広柏葉高校(鈴木究校長)と帯広三条高校(合浦英則校長)がスポーツなどで競い合う「第65回三柏戦」が26日、帯広市内のよつ葉アリーナ十勝などで行われた。今年も三条高が勝利をつかみ、連勝を12に伸...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
室蘭、登別で出店盛ん スーパーや飲食、衣料品店続々【室蘭、登別】
2函館が舞台「名探偵コナン100万ドルの五稜星」公開始まる 関連イベントも盛り上がる【函館】
3ライトアップ初日を楽しむ 函館公園と五稜郭公園で花見電飾【函館】
4丹頂市場 来月6日新装開店 カフェや炉端楽しんで【釧路市】
5桜雲包む最北の城下町 松前さくらまつり開幕【松前】
-
1
米粉100%使用シフォンケーキ開発 函館のカフェ【函館】
2函館が舞台「名探偵コナン100万ドルの五稜星」公開始まる 関連イベントも盛り上がる【函館】
3丹頂市場 来月6日新装開店 カフェや炉端楽しんで【釧路市】
4室蘭、登別で出店盛ん スーパーや飲食、衣料品店続々【室蘭、登別】
5森町地域おこし協力隊に元プロ野球選手の吉田さん着任【森】