ナウマンゾウ「洪水で漂着」再現 記念館展示一新【幕別】
幕別町内の忠類ナウマン象記念館(忠類白銀町383)が20日、展示内容を大幅に改修してリニューアルオープンした。改修は最新の研究成果により、同館がオープンした当時の学説に沿った展示内容の一部に誤りがあったことなどから実施。19日は地域住民向けのリニューアル内覧会を行った。
同館はナウマンゾウの化石が1969年に忠類地区内で発見されたことを契機に、88年に建設。ゾウが底なし沼に足を取られて身動きができなくなっている様子を表したジオラマや、ゾウの進化をなぞった模型、発掘された化石の産出状況の模型などを展示していた。
しかし、最新の研究の結果、ナウマンゾウは死後に洪水などの流水によって運ばれたと推定。ジオラマの光景は誤りで、化石の産出状況模型にも一部誤りがあった。
改修後の展示では、主展示室に8台しかなかった展示ケースを20台に増設し、忠類ナウマンゾウに関する最新の研究を展示シナリオに追加。ゾウの進化系統模型も改修し、ゾウ類の出現と進化、ナウマンゾウと現代ゾウの関係を時系列に沿って解説する内容とした。
ゾウの死体が洪水によって運ばれる様子を表した1.5メートル大のジオラマも新設。産出状況模型の内容は、発掘当時の様子を再現したものに変更した。町が毎年行っている足跡化石の発掘調査についても、関連の展示を用意した。
展示室のほか、収蔵展示室も改修。「忠類を知る」をテーマに、生涯学習拠点施設として地域の魅力を発信するコーナーを目指し、忠類ナウマンゾウを活用した地元小中学校や道の駅忠類などとの地域連携の取り組みを紹介。地区の特産品のユリ根の展示コーナーも設置した。展示改修費用は約2900万円。
19日に行われた内覧式には、地域住民ら約40人が来場。ガイドを務めた町教委学芸員の添田雄二さんは「純粋な化石博物館としてだけではなく、いろんな世代の人に利用しやすい施設にしていきたい。リニューアルを機会に今までに来たことがない人や観光客が訪れ、たくさんの人に利用される施設になってくれたら」と話していた。
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