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十勝毎日新聞

笹川支え51年 ヤマザキショップ 31日に閉店へ【鹿追】

 鹿追町笹川の「ヤマザキショップ鹿追ささがわ店」(笹川北8線)が31日で閉店する。大正から続く歴史ある商店を引き継ぎ、半世紀にわたって営業してきたのは6代目店主の阪口治男さん(75)と妻フキ子さん(75)。阪口さんは「50年は一つの節目でよくやったなという思い。地域の方々が本当によくしてくださって、おかげさまでここまで営業してこられました」と感謝する。

3月末で閉店する鹿追ささがわ店と(右から)阪口治男さん、妻フキ子さん

 同店は1915(大正4)年、笹川市街地の雑貨店として開業。以降、オーナーが入れ替わりながら5代にわたって営業を続けてきた。和歌山県出身で、大阪で営業マンを務めていた阪口さんに後継者の話が舞い込んだのは73(昭和48)年。フキ子さんの母と先代店主の義母が同じ大阪出身で近所、親戚同然の付き合いをしていたことがきっかけだった。

 「寒いのが苦手だし、大阪が好きだった」と後を継ぐ話に最初は難色を示したが、1週間かけて鹿追の町を巡ったことで考えが変わった。「扇ケ原展望台から見下ろした十勝平野の景色が本当に見事で、ここで暮らしたいなって」。25歳の春、一大決心で移住を決めた。

 ところが、最初の5年は苦労続きだった。顔を覚えてもらおうと、商品をトラックに積み込んで始めた移動販売は「『大阪の知らない兄ちゃんだ』って警戒されることもあった」。問屋からの仕入れも信用を得るまでは売り掛けができず、全て現金で支払った。

 それでも真摯(しんし)な姿勢で商売を続け、店は軌道に乗った。2009年には山崎製パン(東京)のボランタリーチェーン「ヤマザキショップ」の道東路面店第1号としてリニューアルした。住民の生活に欠かせない日用品をそろえ、地域に根差した営業を貫いた。

 3年前、フキ子さんが背骨を骨折したことで一度は閉店を決めたが、「なくなったら困る」と客から懇願されて店を続けた。ただ、「それももう限界だね。みんな惜しんでくれるし、不便をかけるから、気持ちはまだやりたいんだけど…」と悔しがる。

 道路を挟んで向かい側のガソリンスタンドと灯油の配送は当面の間続ける。地域の生活を支えて51年。「振り返ればあっという間。たくさんの人にかわいがってもらって、楽しい思い出ばかりだった」。惜しまれながら店は畳むが、2人の歩みは、笹川の住民の心にいつまでも残り続ける。

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