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苫小牧民報

「銀河鉄道999」モデルのSL模型 40年以上前に購入 相吉さん大切に保管 白老

白老町大町で飲食店を営む相吉正亮さん(84)は、50年以上前に製造された国鉄C62形蒸気機関車(SL)の42分の1スケールの精巧な模型を今も自宅で大切に保管している。漫画家松本零士さん(1938―2023年)の作品「銀河鉄道999」に登場する999(スリーナイン)号のモデルとなったことで知られる機関車で、「開業当時の思い出が詰まった品」と語る。

999号のモデルとなった蒸気機関車の模型と相吉さん

 C62形蒸気機関車は1948(昭和23)年に誕生。戦後急速に増大した旅客需要に対応するため、貨物用のボイラーを転用して製造された国鉄最大の旅客用蒸気機関車。54年12月には東海道本線木曽川橋梁で狭軌蒸気機関車として当時最高の時速129キロを達成し、東海道、山陽本線などで活躍した。

 模型は、日本の鉄道開業から100年目に当たる72年、多くの鉄道模型を手掛けた三井金属工芸社が製造した。当時の販売価格は3万円。「オール金属製」をうたい、太いボイラーと短い煙突というユニークな車体を精巧に再現している。実際のC62形は近代化のため次々と引退し、全49両が役目を終えた76年ごろに人気が高まった。

 相吉さんは79年に飲食店を開業し、間もなく、当時国鉄に勤めていた苫小牧東高校時代の同級生から定価で買い取った。周囲に鉄道ファンがいなかったこともあって押し入れにしまい、そのまま40年以上の時が過ぎたが、最近、常連客との雑談で鉄道が話題になり、存在を思い出した。

 久しぶりに取り出して箱を開けると、傷一つない美しい車体が現れた。店を開いて間もない頃の「3万円」は楽に払える金額ではなく、苦労して手に入れた品。常連客の話から999号のモデルにもなった機関車と分かり、「大きな物語と背景を持った存在」として、改めて親しみが湧いた。店の歴史とともに「これからも大切にしていきたい」と目を細めた。

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