市内の中学２年生を前に講話する小平さん（市教委提供）

　【網走】市内の中学２年生を対象にした、市教委の「子ども夢育事業」が網走市民会館で開かれ、平昌五輪スピードスケート女子５００㍍金メダリストで、信州大特任教授の小平奈緒さんが「知るを愉しむ」のテーマで講演した。

　小平さんは網走市出身の信州大教授・結城匡啓さんの指導を受け、二人三脚でオリンピックのメダル獲得を目指し、実現。結城教授を「世界一の指導者」と語るほど信頼を置いている。

　平昌のほかにもバンクーバー五輪で団体パシュート銀、世界距離別選手権５００㍍金、世界スプリント選手権では総合優勝を果たしている。昨年４月、現役引退を表明。現在は相澤病院（長野県松本市）のブランドアンバサダーを務めている。

　講演では、自身のスケート競技人生を振り返り、知ることを楽しみながらパフォーマンスに結びつけてきた過程を、いくつかのテーマでエピソードを交えて語った。

　聴講した中学２年生からは「あきらめないことや、努力することの大切さを改めて感じた」「考え方を変えれば次にうまくつながることを学べて楽しかった」「努力を努力と思わないくらい楽しむと聞き、そのくらい楽しめるものに出会いたいと思った」などの感想が聞かれた。

　また「小平さんの話で『自分が主役だと思うこと』が一番印象に残った。陸上の大会などに出る時は、常に自分が主役と思いながらレースに挑みたい」という生徒もおり、特に部活動などでスポーツに取り組んでいる生徒には、参考になる話が多かったようだ。

　この事業は２０１７年、市政施行70周年を記念して始まったもので、これまでにタレントのゴルゴ松本さん、元プロ野球選手の森本稀哲（ひちょり）さん、ロンドン五輪女子柔道78㌔超級で銀メダルを獲得した杉本美香さんなどが講演している。