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遺族ら犠牲者しのぶ 洞爺丸台風から69年【北斗】

手を合わせ故人をしのぶ参列者(七重浜共同墓地)

 【北斗】1954(昭和29)年9月26日に起きた洞爺丸台風事故から69年となった26日、市七重浜7の「颱風(たいふう)海難者慰霊碑」前や七重浜共同墓地で、台風の犠牲者を追悼する慰霊法要が執り行われた。参列した遺族らが手を合わせ、犠牲者をしのんだ。

 洞爺丸台風(台風15号)により、青函連絡船洞爺丸のほか、第11青函丸、日高丸、十勝丸、北見丸の5隻が沈没。函館市史によると、乗員乗客1430人が犠牲となる未曽有の事故となり、事故発生から翌年の55年には、多くの犠牲者が流れ着いた七重浜に慰霊碑が建立された。

 慰霊碑前で執り行われた法要は函館市仏教会(永井正人会長)が主催し、遺族や一般参列のほか、北斗市や函館市、JR北海道の職員など、約50人が参列。僧侶12人が読経する中、参列者が手を合わせ、焼香した。

 参列した函館市時任町の大原愼子さん(74)は、北見丸で事務長を務めていた父・大原魁さん(当時53)を亡くした。「毎年焼香しに参列している。69年という月日はとても長いが、私たちにとってはいつまでも忘れられない日であり、体力が続く限り慰霊法要に参列し続けたい」と話していた。同じく函館市から参列した甲斐禎子さん(91)は、第11青函丸で無線通信長を務めていた父・大竹常一さん(当時42)を亡くした。「事故から69年も経ったのかと思うと感慨深い。動ける限り法要には参加し続けたい」と話していた。

 またこの日は七重浜共同墓地内に建つ、犠牲者を悼む供養塔「寂光塔(じゃっこうとう)」前で、七宝寺(油井祥隆住職)による法要が執り行われた。

 同墓地では犠牲者のうち128体が荼毘(火葬)にふされたという。法要では遺族や地域住民などが参列し、焼香して犠牲者の冥福を祈った。

 法要を終え、油井住職は「洞爺丸台風海難事故を風化させず、後世に伝え、しっかりとご供養を続けていくことが、私の住職としての大切な務めの一つだと感じている」と語った。

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