夢を実現するため「自然と夢中になれるものを見つけて」と児童にアドバイスする播戸さん

　【網走】さまざまな競技で活躍した元選手や現役の選手が小学校で授業を行う日本サッカー協会（ＪＦＡ）こころのプロジェクト「夢の教室」が、市内６つの小学校で行われ、児童がゲームやトークで夢を持つことの素晴らしさ、仲間と協力することの大切さを学んだ。

　訪れた小学校は網走、中央、呼人、西が丘、東、白鳥台の６校。人格形成に重要な時期とされ、特に目的と手段を合わせて考えることができるようになるといわれる５年生、郊外の小規模校などの複式学級では４年生や６年生も対象に行われた。

　このうち中央小には、コンサドーレ札幌をはじめさまざまなクラブで活躍し、日本代表にも選ばれた経歴を持つ播戸竜二さんが訪れた。

　体育館に集まった５年生に、播戸さんはさまざまなゲームで交流。またサッカー選手ならではのキック力なども披露した。

　後半は教室に戻り、播戸さんからどのようにして夢をつかんだか、自身の経歴も交えて児童に話した。

　すでにゲームで児童と打ち解けあった播戸さんは、自らを「ばんちゃん」と表現しながら、初めてサッカーと出会った時、それまでさまざまなスポーツを楽しんでいた中からサッカーを選んだ理由、本格的にプロを目指した時など、サッカー人生の節目を振り返った。

　この中で、高校進学はサッカーの強豪校を選択。入学後は午前６時15分に自宅を出て、電車と自転車を乗り継ぐなど、登下校に毎日１時間15分かかった経験を話した。

　その上で播戸さんは「サッカーに夢中だったので（登下校が）つらく感じたことはなかった」と述べるとともに、児童にも「自然と夢中になれるものを見つけてほしい。将来の夢を考え、そのために出来ることを探して」と、アドバイスした。

　話を聞き終えた児童は、それぞれの夢と、実現のために何をするかを「夢シート」と呼ばれる冊子に記入。数人が発表した。

　「獣医になって、犬や猫の病気を直したい」「医者になって、人命救助をしたい」「バドミントン選手になって、優勝したい」と、児童の夢はさまざまだったが、播戸さんは「つらいこともあるかもしれないけど、夢や目標に向かってほしい。もしその夢がかなったら、次の目標を持って」と、児童の夢を後押ししていた。

　教室を終え、播戸さんは「ゲームの時からみんな元気で、すぐ打ち解けることができた。授業も真剣に聞いてくれたので、今日話したことが、一つでも心に残ってくれれば」と話していた。

　児童が書いた「夢シート」は、すべて播戸さんの元に送られ、１冊ずつ目を通し、その内容に合わせたメッセージを書き添えて児童に返されることになっている。

　この事業は日本サッカー協会が２００７年から取り組んでいるもの。網走では14年から毎年行われている。

　今回は播戸さんのほか、ゴルフの平瀬真由美さん、空手の杉本一樹さんも小学校を訪れ〝夢先生〟を務めた。