需要起こせ「冬」キャンプ カウベルハウスで実験【帯広】
コロナ禍以降、密を避けて楽しめる娯楽としてアウトドアがブームになる中、地域の自然や文化、食などを生かした観光に注目が集まっている。こうした流れを背景に、十勝食材の発信などに力を入れる帯広物産協会(小倉豊会長)は、アウトドアを組み合わせることで、運営するレストランで冬季の需要を掘り起こす取り組みを始めた。
同協会は宿泊機能を併せ持つレストラン「畜産研修センターカウベルハウス」(帯広市八千代町西4線194)の運営を帯広市から受託している。夏季は旅行客や学生の研修などでにぎわうが、市内中心部から遠い立地もあり、冬季の利用の落ち込みが課題とされる。利用の促進を図るため、アウトドアブームで人気が高まる「冬キャンプ」に着目した。
退避場所にも
4日に冬キャンプの実証実験を実施。「冬キャンプは気温などハードルが高いが、宿泊施設を持つカウベルハウスは退避場所にもなり、安心して泊まってもらえる」(木戸善範事務局長)と企画した。
管内のアウトドア愛好家ら4組が実験に参加し、カウベルハウスの前庭スペースにテントを設営。「設営場所の広さは十分。十勝の自然を間近に感じられる場所」(参加者)との声が上がった。
テント装備高額
一方、参加者が持ち込んだテントは、石油ストーブなどを設置し煙突で排気するという高額なもの。「テント内は20度ほどで安全性は高いが、費用も高く手入れも必要」(参加者)と整備の難しさを指摘する声もあった。
その後は、同協会の会員企業が製造する十勝産食品のバーベキューや、同レストランで星の観察会を実施する「北海道の星空」の天体観察会などが催され、参加者を楽しませた。
木戸事務局長は「キャンプ道具の用意などに課題は見つかったが、宿泊施設があり安全性の高いキャンプ、市街地から遠くきれいな星空、会員企業の食品と、優位点が多いことを確認できた」とし、来年度以降の事業化に意欲を見せた。
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