第１６２回日商簿記検定試験で、室蘭市翔陽中学校１年の藤田風雅さん（１３）が満点で３級に合格した。室蘭商工会議所によると、中学生の受験者で満点の合格は極めて珍しく、札幌や苫小牧でも前例がないという。初めての受験で満点に輝いており「長い間勉強をしてきたので、合格はうれしい」と笑みを浮かべている。

　３級は、業種や職業にとらわれず、社会人が身に付けておくべき必須の基本知識として知られている。基本的な商業簿記を習得して、事業所の会計実務で必要な経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。正解が７割以上で合格となる。

　テレビ番組で会計士が紹介されているのを観て興味を持ち、将来の夢に。必要な資格に簿記があることから、昨年７月から勉強を開始した。

　自ら選んだ教科書１冊と問題集２冊で勉強を重ねた。まずは教科書の内容をノートに記して簿記の流れを把握。問題集を繰り返し解くことで理解力を深めた。簿記上の仕訳がイメージできるよう、分からないところは動画で確認した。

　模擬テストは合格ラインを超えた。試験本番は、学校の定期考査の２日後。毎日こつこつと勉強を両立させて、見事に満点を獲得した。

　「１問だけ自信がなかったので、まさか満点を取れるとは思わなかった」と振り返る。２級は商業簿記に加えて工業簿記も試験内容に加わり、難易度はさらにアップするが、すでに勉強を開始。次年度以降にチャレンジしていくという。