にっぽん丸函館寄港50回 市や遺愛高生が祝意【函館】
商船三井客船(東京)の豪華客船「にっぽん丸」(2万2472トン)が6日、函館港若松埠頭(ふとう)に寄港した。今回で入港50回目の節目を迎え、函館市やクルーズ船と縁のある遺愛女子高校の生徒らが記念セレモニーで祝福。乗客も函館観光を楽しみ、各地ににぎわいが戻った。
函館港は1987年からクルーズ船の受け入れを始め、同船は当初から寄港している。新型コロナウイルスの影響で寄港はなかったが、同船は今年3月、道内港では約2年4カ月ぶりに函館港に入港した。
約300人の乗客を乗せた船は、午前10時前に埠頭に着岸。大型連休中の日本一周クルーズで、東京発着で宮崎、金沢などを巡り、道内は函館のみの寄港となった。
岸壁であったセレモニーで、市が新たな酒蔵「五稜乃蔵」の地酒10本を贈った。また、2007年から主に外国船の通訳ボランティアとして活動してきた、遺愛女子高英語科の2、3年生有志30人がメッセージや、船のイラストをしたためた寄せ書きを準備。3年の能代はなさん(17)が、船の福元剛ゼネラルマネジャー(56)に花束と共に手渡した。
能代さんは「コロナ禍でボランティア活動はできず残念だったが、収束したら国内だけでなく、外国船も以前のように来てくれるとうれしい」と話した。福元さんも「50回を祝ってもらい感慨深い。函館は港とまちが近く、観光以外にも魅力がたくさんある。これからも寄港できれば」と笑顔を見せた。
船は午後5時、次の寄港地の大船渡(岩手県)に向けて出発。函館には6月に2回、8月にも1回寄港予定で、うち6月15日は函館から乗船できる「市民クルーズ」も実施する予定。
一方、埠頭の隣に係留している市青函連絡船記念館摩周丸では、にっぽん丸着岸時に「歓迎」を意味する国際信号旗「UW2」をメインマストに掲げた。離岸時には「ごきげんよう(長い汽笛)」を吹鳴。営業時間中に行う恒例のもてなしで、国内でも珍しい歓送迎となった。
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