札幌国税局の新酒鑑評会の純米酒の部で金賞に輝いた「五稜純米吟醸」と賞状を手に喜ぶ川端総杜氏

　函館市内に昨年５４年ぶりに誕生した酒蔵「五稜乃蔵」（亀尾町２８）の日本酒「『五稜』純米吟醸」が、札幌国税局の２０２１年度酒造年度（２１年７月～２２年６月）の新酒鑑評会で、純米酒の部の金賞に輝いた。同局によると、道南の酒蔵が同賞を受賞するのは平成以降では初めてという。

　今回は、道産米吟醸酒、吟醸酒、純米酒、軽精米ゴク味酒の４部門に、道内１６の清酒製造場から計１０６点が出品され、品質評価員２０人が評価した。「『五稜』純米吟醸」が出品された、純米酒の部には１５場から３７点が集まり、金賞６点が選ばれた。

　出品された酒は、亀尾町内の水や酒米「吟風」を使い、精米歩合は５５％で、火入れした。すっきりとした飲み口ながらも、豊かな風味とふくらみが感じられる味わいに仕上がったという。

　同酒蔵の川端慎治総杜氏は「コメの仕上がりが非常に良く、程よい香りが立つバランスの取れた商品に仕上がった」と胸を張る。その上で「評価していただけたことで、酒造りの方向性が間違っていなかったと自信になった。今後の酒造りにも生かしていきたい」と話している。

　今月２２日には酒蔵に併設するショップがグランドオープンする予定で、出品した酒も数量限定で販売するという。