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函館新聞

誰もが暮らしやすい社会は 「虹をはいて歩こう」当事者が性の多様さ発信【函館】

当事者の生きづらさに関して語った川島さん

 性の多様さを発信するイベント「虹をはいて歩こう」が9、10の両日、函館蔦屋書店で開かれた。両日ともに出生時の性と性自認が異なるトランスジェンダー当事者による講演を行い、LGBTQなど性的少数者をはじめ、誰もが暮らしやすい社会づくりを啓発した。

 市内近郊のLGBT当事者やその関係者で組織する「レインボーはこだてプロジェクト」(北見伸子代表)の主催で今年で6回目。道教育大函館校2年生も企画に関わった。

 9日の講演には性的少数者の交流の場を創出する「にじいろほっかいどう」事務局長の真田陽さんが登壇。女性として生まれ、戸籍上の性別は女性のままだが、男性として生活を送る。心の性が男性だと自覚したのは大学時代だったが、幼少期からスカートやかわいいものが嫌いで、中高生のときには女性の中での着替えることに不快感を覚えたといい「当時はトランスジェンダーという言葉も知らず、セクシュアリティから来るものだとは思わなかった」とし「食べ物の好き嫌いと同じようなものだとあきらめていた」と振り返った。当事者の生きづらさ解消に向けては「多様な性を前提とした社会が必要。男・女など2択ではない選択肢を持てるようになれば」と語った。

 同じくトランスジェンダー当事者で性別違和を感じる人への情報提供に取り組む川島暢華さんも講演した。トイレや公衆浴場をはじめ、さまざまな場面で当事者はシスジェンダー(出生時の性と性自認が一致する人)と同じような生活が難しいと指摘。現行制度では認められていない同性同士の婚姻(同性婚)の実現など「マイノリティーをはじめ誰もが公平に暮らせるような手立てや施策が求められる」と強調した。

 このほか、会場では2日間を通じ、工作や読み聞かせといったコーナーを設置。多くの市民がさまざまな切り口から性の多様さに触れていた。

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