道 9、10月ヒグマ注意期間に 振興局が啓発強化【釧路市】
ヒグマによる人身被害の防止に向け、道は9月1日~10月31日の61日間を「秋のヒグマ注意特別期間」と設定し、さまざまな啓発活動を行う。釧路管内でも過去に被害があることなどから、釧路総合振興局の冨樫崇くらし・子育て担当部長は「山菜採りはクマに出くわすケースが多いので、特に注意してほしい」と呼び掛けている。
道は、クマによる人身被害の未然防止を図るため、2002年度から、山菜やキノコ採りなどで野山に入る機会が多くなる春と秋に「ヒグマ注意特別期間」を設定している。期間中は各地でさまざまな事業を展開、今回も各振興局の職員による巡視活動や普及啓発リーフレットの配布などに取り組む。
道のまとめによると、月別のクマによる人身被害は全道的に4月と10月が突出。春は山菜採り、秋はキノコ採りで人が山野に出掛ける機会が増加する一方、クマも春は冬眠明け、秋は冬眠を控えるなどの理由から、餌を求めて活動が活発化するため、人とクマの遭遇率が高くなるという。
過去10年で、釧路管内における秋期の人身事故は、18年に白糠町でキノコ採りの男性が死亡したほか、23年には釧路市で魚釣りから帰宅途中の男性が負傷するなど4件発生。根室管内では過去10年間、秋期の事故は発生していない。
道は、野山でクマに遭遇しないため「事前にクマの出没情報を確認する」「単独行動を避け、複数で行動する」「鈴など音の出るものを鳴らす」などのルールを設定。冨樫部長は「被害者にならない一番の方法はクマと遭遇しないこと。ルールを知って、身を守ってほしい」と話していた。