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苫小牧民報

被災者に伝筆 能登半島地震 放課後子ども教室の児童がメッセージ むかわ

能登半島地震の被災者支援のため、むかわ町福住の米澤電気商会代表、山本敦子さん(58)=平取町在住=は来月、むかわ町内の約50人の子どもたちが書いた伝筆(つてふで)のメッセージカードを被災地に送る計画を立てている。2018年9月の胆振東部地震の後、全国から寄せられた伝筆に自身が救われた経験があり、「復興には時間がかかる。伝筆を見て少しでもほっとした気持ちになってもらえたら」と語る。

むかわ町の子どもたちが書いた伝筆のメッセージと山本さん

 伝筆は、七つのこつを活用して書くユニークで温かな筆文字。山本さんは10年ほど前に伝筆と出合い、15年に講師となった。その後、胆振東部地震が発生。復旧作業に奔走していた約1カ月後、全国の仲間から伝筆のメッセージが届き、疲れていた心が和んだ。1000通以上送られてきたため、多くの人に見てもらおうと避難所や仮設住宅、役場などにも届けた。

 能登半島地震の発生後、「同じ地震の被害を受けた町として、大変な思いをしている石川県の人たちに何かしたい」と、町内で放課後子ども教室を受託している合同会社GCs(ゲーシーズ)の三上誉人代表社員に相談。同教室に講師として出向き、子供たちに伝筆で励ましのメッセージを書いてもらうことにした。

 5月21日に穂別地区、同23日に鵡川地区で行われた同教室では、約50人の児童が「今を生きよう」「災害に絶対勝てる大丈夫」「明るく元気に笑顔で!」―などの筆文字を書き、味わいのある作品が集まった。

 能登半島には講師がいないといい、一般社団法人伝筆協会(東京)の侑季蒼葉代表理事の紹介で知り合った、金沢市で災害ボランティア活動をするハピネストレーナー兼シニア体操インストラクター佐々木泰子さんに作品を送る。能登半島のいずれかの自治体の公民館で展示できるよう調整を進めている。

 山本さんは「ゆくゆくは大人の作品を持って能登半島に行きたい」と話し、支援を継続していく考えだ。