道内陣屋跡「後世に」、連携の在り方考える 学芸員ら解説、コミュニティーセンターでシンポ【白老】
白老町と町教委主催のシンポジウム「全道陣屋跡の現状と課題」が28日、白老町本町の町コミュニティーセンターで開かれた。陣屋跡がある全道各地の学芸員や郷土史研究家ら14人が集まり、今後の連携やネットワーク構築の在り方を考えた。
仙台藩白老元陣屋資料館の開館40周年記念の特別展「蝦夷(えぞ)地の陣屋」(8月18日まで)の関連事業として開催した。町制施行70周年記念としても位置づけた。
冒頭、大塩英男町長は主催者あいさつで町制施行70周年を迎えたことに触れ「これまでの文化歴史をしっかりと後世に引き継ぐことが私たちの役目だと思っている」とシンポジウムの意義を強調した。
北海道博物館の三浦泰之学芸部長が「東北諸藩による幕末の蝦夷地警備」と題して基調講演。ロシアとの関係とそれに伴い幕府が東北諸藩へ蝦夷地警備を命じ、その中で道内各地に陣屋が作られていったことなど陣屋の成り立ちや背景について解説し、資料を紹介した。
資料的には限界があることを指摘し「道外にはまだまだ見つかっていない記録がたくさんあると思うので、丁寧に探すことでさまざまな歴史の事象を積み重ねることができる」と述べた。
その後、13人のパネリストが、それぞれの自治体に所在する陣屋について1人ずつ紹介。ネットワーク構築に向けた討論会も行った。