ふるさと納税さらに充実へ 16年で164億円も減少傾向【上士幌】
上士幌町が2008年度に取り組みを始めたふるさと納税の累積寄付額は、22年度で150億円の大台を突破し、16年間で164億9377万円(件数91万8642件)になった。寄付金の活用は地方創生のモデル事例として国やメディアにも大きく取り上げられ、町の知名度が飛躍的に向上、一躍全国区になった。町は「返礼品のさらなる充実を図っていきたい」(企画財政課)としている。
累積寄付額は、19年度には100億円の大台を突破。寄付額は21年度15億2942万円(9万7057件)、22年度15億55万円(9万7363件)、23年度14億7195万円(9万654件)と減少傾向にあるが、これまで各年度14億円以上と堅調で、高水準を維持している。
町は減少の要因として、返礼品として認められる地場産品基準の変更や、自治体間の返礼品競争などが背景にあると分析。今後、返礼品にアクティビティーなどの体験を加えたり、SNS(交流サイト)で多数のフォロワーを持つインフルエンサーと協力して町の情報を発信したりし、差別化を図っていく考え。
町はこれまで寄付金を財源に、地域の活性化につなげてきた。14年度には「子育て少子化対策夢基金」を創設。こども園の保育料や高校生までの医療費を完全無料化した。東京都内で上士幌の魅力を伝える「上士幌まるごと見本市」を開催するなど、寄付者との交流も図ってきた。
返礼品は現在130種類で、ドリームドルチェのよくばりアイスクリームセットなど農畜産業を生かした特産品をはじめ、十勝ナイタイ和牛や十勝ハーブ牛などが人気上位に名を連ねている。ポータルサイトはふるさとチョイス、楽天ふるさと納税、さとふる、ふるなび、町特設サイトなど計七つ。
寄付金の使い道を子育て・教育、産業振興、医療・介護・福祉などと明確にしているほか、返礼品は早ければ2、3日で納税者宅に届ける態勢を取っている。
町企画財政課の市川貴邦主査は「寄付者のリピーターを大事にしつつ、上士幌の新たなファンを増やしていきたい」と話している。
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