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函館新聞

来春お披露目会 アイヌと和人の共生アピール 道文化財指定の「勝山館跡出土品」【上ノ国】

漆わんに乗せられた儀礼用具「イクパスイ」(手前)などアイヌ文化の出土資料

 【上ノ国】国の重要文化財「旧笹浪家住宅」(上ノ国236)付近から出土したアイヌ文化の道具など88点「勝山館跡宮ノ沢右岸出土品」が28日付で道の有形文化財(考古資料)に指定されることが決まったことを受け、町教委は2024年4月下旬ごろに、旧笹浪家住宅付属の文庫蔵で、指定された出土品の一部を展示する「お披露目会」を企画している。

 出土品は、旧笹浪家住宅保存整備事業の1999年に行われた遺跡調査で見つかった。場所は、国指定史跡上之国館跡のうち、勝山館跡の指定地内で、同住宅の西側に建つ「にしん街道」の標柱付近の約60平方メートルの範囲。1640年の駒ケ岳の大噴火によって堆積した火山灰層の直下から発掘された。

 見つかったのは、アイヌ民族の儀礼用具「イクパスイ」や子ども用の弓、和人が使った唐津焼や染め付けされた器の陶磁器類など1000点以上。このうち指定されるのは用途がわかるものと、状態の良いものを中心にした88点が選ばれた。

 上ノ国では天文19(1550)年に、天野川の北側をアイヌ民族の蝦夷地、南側を和人地にすることが決められた。見つかった陶磁器は1600年前後のものと判明しており、出土品はアイヌと和人が居住地の境界を定めてからも、勝山館周辺で共生していた可能性を示す重要な資料となっている。

 町教委事務局の学芸員、塚田直哉局次長は「アイヌと和人の共生があったと言える資料。指定を機に、この地域に生きたアイヌの人のことをメッセージにして、未来に向け発信したい」と話している。

 春に展示が始まれば、町北村の砂館神社本殿を除き、文庫蔵南隣の米蔵内に安置している円空作十一面観音立像と、上ノ国八幡宮本殿を合わせた3件の道指定文化財が、上ノ国地区に集まることになる。

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