原因究明し資源回復へ 「調査研究会」を発足 「鵡川ししゃも」記録的不漁受け
むかわ町のブランド「鵡川ししゃも」の記録的不漁を受け、町や鵡川漁業協同組合、道内調査研究機関などで構成する「鵡川ししゃも資源再生調査研究会」が25日、発足した。昨年秋から町内で稼働するししゃもふ化場を拠点に各研究機関のデータ情報を集約、共有、利活用し、危機的減少の原因究明と資源回復を図る。
同研究会は町と同漁協が呼び掛け人となり、賛同する道立研究機構栽培水産試験場(室蘭市)、さけます・内水面水産試験場(恵庭市)、道栽培漁業振興公社(札幌市)で構成。年に最低4回、各機関で蓄積した調査・研究の詳細を持ち寄り、資源回復に結び付ける。
同日、町産業会館で設立会議が行われ、むかわ町の竹中喜之町長は「シシャモはこの町の歴史、文化を語る上で欠かすことができない重要な資源。決して幻の魚にすることなく、研究を足掛かりにシシャモの復活、再生を図っていきたい」と結束を呼び掛けた。
むかわ町のシシャモは「町魚」に指定されるほか、「鵡川ししゃも」として地域団体商標にも登録されているブランド品。しかし、ここ数年のシシャモ漁獲量は2017年の72トンから20年は3トン、21年1・4トンと激減し、昨年は史上最低の64キロと危機的状況に陥っている。同研究会は年間水揚げ量50~100トンを目指す。
記録的不漁は近年の海水温の上昇が一因とされるが、シシャモの生態は不透明ではっきりとした解明には至っていない。同漁協の小定雅之専務理事は「むかわと言えばシシャモ。連携を深めることでそれぞれの専門性を最大限に発揮し、シシャモ漁が営まれる環境をつくっていきたい」と力を込め、「特効薬はないが、いま分かっていることから地道にやっていく」と話した。
シシャモ漁の解禁は例年10月上旬だが、今季は現時点で未定。
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