全国の学校給食向けにホタテを無償で提＿供する方針について話す岡嶋町長

　【森】東京電力福島第１原発の処理水海洋放出を背景に、中国が日本産水産物の禁輸措置を続ける中、養殖ホタテの生産が盛んな森町は、輸出できずに保管されているホタテについて、全国の学校給食向けに約１０万食分を無償で提供する方針を固めた。

　財源には政府が風評被害対策として設けている基金を活用する方針。提供先は過去に町とつながりのある自治体や、要望のある全国の自治体など。

　中国の禁輸措置に伴い、町内の水産加工会社は、輸出できずにいるホタテが冷凍庫を圧迫している状況がみられるという。「冷凍庫が空かないと次に予定していた商品が入れられず、仕事にならないとの声も聞こえている」と岡嶋康輔町長。

　町は１０月にも、必要な財源を盛り込んだ今年度一般会計補正予算案を、町議会へ提出したい考え。可決されれば、年内にも学校給食向けに提供を始めたいとしている。岡嶋町長は「国の基金を活用することで森町のホタテの魅力発信につなげ、新たな販路の開拓など課題解決につなげていきたい」と話している。