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日高報知新聞

250人の観光客が乗船 舟おろしの儀式「チプサンケ」【平取】

チプ(丸木舟)で川下りを楽しむ参加者たち

【平取】アイヌ民族伝統の舟おろしの儀式「第54回チプサンケ2023」が20日、二風谷ダム近くの沙流川左岸に設けた舟おろし場で行われた。実行委主催。

 「チプ」はアイヌ語で丸木舟、「サンケ」は下すを意味し、1965年代(昭和40年代)から継続的に二風谷で行われている舟に新たな命を与える入魂の儀式。舟材を授けた山の神へ感謝の気持ちを伝え、新たな舟ができたことを川の神へ報告する。船頭たちがワッカウシカムイ(水に神)への祈りを捧げた。

 この日は、気温も高く晴天に恵まれ、午前は「縁結び石祭り」「カムイノミ」「古式舞踊見学」などを行ったあと、午後1時から250人の観光客が参加し、「チプサンケ」が始まった。

 観光客たちは、ヘルメットとライフジャケットを身につけて乗船。チプは5隻(うち1隻は和舟)。約800㍍の川を15分ほどかけて下るのどかな船旅を楽しんだ。

 東京から訪れた大学生3人は「大学でアイヌ文化について事前学習して二風谷を訪れ、文化や言語、食文化などさまざまな体験を通して検証しに来た。チプサンケも楽しみです」と話した。