帯広市と芽室町の農家で栽培している「帯広メロン」の今年の出荷が24日に始まった。曇天が続いた昨年に比べて今年は天候が良く、関係者は「糖度が高いおいしいメロンになった」と話している。出荷は8月中旬ごろまで。
帯広メロンは、市内や近隣自治体の農家で構成する「FFVプロジェクト」が1988年から出荷している。爽やかな甘みとサーモンピンクの肉厚な果肉が特徴的なマスクメロンの品種「妃」で糖度は15度以上。支柱を立てて実をつるす道内唯一の「立ちづくり」で網目模様の美しさにこだわっている。今年は例年よりやや少ない約3800玉の生産を見込む。
販売元のキサキ糧穀(帯広市愛国町、鬼崎友宏社長)にはこの日、約700玉が集まり、箱詰め作業が進められた。2キロ以上の大玉は「プレミアム」とし、価格は2玉で5000円前後。管内ではイオン帯広店やイトーヨーカドー帯広店、コープさっぽろなどで取り扱っている。鬼崎社長(46)は「農家が手塩にかけて育て、味や形に自信を持っている。ぜひ味わってほしい」と話している。
一方、一時期は20戸以上あった管内のメロン農家は4戸に減少。鬼崎社長は「技術的に難しい面もあるが、ぜひ取り組んでもらい、供給を増やしたい」と生産者の増加を望んでいる。