台南市安平区と友好交流協定 オンラインで調印式 安平町と台湾
安平町は27日、台湾の台南市安平(アンピン)区と友好交流協定を締結した。町役場と台湾をオンラインでつないで調印式が行われ、同じ「安平」という地名表記、それぞれが持つ歴史的文化財の保存など共通点が多い町と区が絆を深め、文化や教育、経済など幅広い分野で相互利益と友好関係を築くことを約束した。
台南市の安平区は、台湾の南側に位置する人口約6万6000人の港町。歴史が古く、安平港や安平城といった漁業と観光で知られる。日本でいう京都に近く、ルーツを探る古跡など台湾の歴史と文化に触れることができるという。
安平町とのつながりは2018年1月、町内で台湾の留学生と書き初め交流をしたことがきっかけ。その後、放課後子ども教室の取り組みで「アビラ」の地名が入った世界各国に手紙を送ったところ、台南市安平國小から手紙とプレゼントが届き、胆振東部地震があった後にも同小からメッセージが寄せられていた。
調印式は町役場と安平区の現地、台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表などをオンラインでつないで行われ、▽教育を通じた日台青少年交流の加速▽相互訪問による友好交流▽歴史的文化財など観光資源を活用し、協力関係を深める▽地方創生および特産品のマーケティングを促進し、利益創出に努める▽日本と台湾の繁栄と発展に寄与する―などを盛り込んだ協定を交わした。
立会人の謝代表は「同じ安平という名前はご縁であり、歴史や文化、観光、教育の分野で交流を深める可能性を秘めている。友好交流協定を通じて両地域の交流が拡大し、関係を深め、一日も早く相互訪問が行われることを願っている」と期待。安平区の蕭泰華区長は「文化や教育、地方創生も含めてお互いにウインウインの関係づくりができれば。こちらに来てもらうのはもちろん、機会があれば安平町に行って酪農を見学させてもらいたい」と述べた。
及川秀一郎町長は「できれば年内、4年ぶりの台湾へ訪問し、安平区にも足を運びたい。同じ地名ということで親近感が湧くし、交流のきっかけになるのでは」と期待を寄せた。