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函館新聞

中部高の伊藤さん下垣内さん、東大に現役合格【函館】

函館中部高校から東大理科一類に現役合格した伊藤さん(右)ち下垣内さん

 函館中部高校を今年度卒業した伊藤櫂さん(18)と下垣内陸さん(同)の2人が、東京大学理科一類に現役合格した。4月から東大生となる2人は、母校や恩師へ感謝の思いを胸に、それぞれの夢に向かって新たな一歩を踏み出した。同校によると、東大合格者を輩出したのは2005年度に文系で合格した1人以来だという。

 伊藤さんは小学生のときに数学に関する専門誌を読んだことをきっかけに、数学の魅力に魅入られた。将来の夢である数学研究者を目指すため、小学3年で東大を目指すことを決意。昨年はスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校による生徒研究発表会で、数学分野における「循環小数の分割和と代数体の整数環への拡張」が、ポスター発表賞を受賞。また所属した科学部では、空気抵抗に関する研究をまとめるなど、受験生でありながらさまざまなことに挑戦してきた。

 勉強は1日平均3~4時間、受験期には6~7時間こなしたという。「数学は半分趣味のようなもの。それに比べ文系分野が少し苦手で、英語はクラス担任の先生にプリントなどを出してもらい、対策を立てた」と振り返る。

 下垣内さんは中学を卒業し、中部高校への進学を控えたタイミングで、勉強を頑張るには高い目標があったほうがよいと考え、東大進学を目標に据えた。3年間バスケットボール部に所属し、部活動が終わったあと、塾で勉強を重ねることで勉強と部活を見事に両立させた。「受験のための勉強に息苦しさを覚えることもあったが、担任の先生の協力を得たおかげで、英語で得点を稼ぐことができた」という。

 合格を知った際、伊藤さんは「正直落ちたと思っていたので、自分の受験番号を見つけたときは思わず叫んでしまった」という。下垣内さんも「受かるとは思っていなかった。受験番号を目の当たりにしても、信じられない思いでいっぱいだった」と振り返る。

 東大合格者として、伊藤さんは「自分は数学が好きで、将来やりたいことでもあったので勉強を続けることができた。どの教科でもよいので、楽しいと思える教科を見つけることができれば、モチベーションを保ちつつ勉強を続けられる」という。下垣内さんは「勉強はきつかったが、それ以上に東大合格を目標に決めたからには受かりたいという思いのほうが強かった。志望する大学に受かりたいという思いをどれだけ強く持ち続けられるかが大事」とアドバイスする。

 2人のクラス担任で英語を担当する輿水飛鳥教諭は「2人は同じクラスで、なおかつ同じ大学を目標にしていたことで、互いに切磋琢磨(せっさたくま)できたこともプラスに働いたように思える。函館中部高校がSSHに指定され、その1期生の2人がこのような素晴らしい結果を残したことは、後輩たちにとって大きな自信につながる」と努力をたたえた。