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函館新聞

森高で木質化プロジェクト完了 家など5点製作 振興局の独自事業【森】

木質化が完了した玄関で満足した表情を見せる生徒(提供)

 【森】渡島総合振興局の独自事業「みんなで拡(ひろ)げる木づかいプロジェクト!」の一環で、モデル校の森高校が取り組んできた生徒玄関の木質化が今月、完了した。生徒のアイデアを基に、道南スギなどを使った什器類と家を模した構造物を製作し、全5点を玄関に配置。木のいい香りに包まれた玄関に生徒たちの笑顔が広がった。

 2年生の選択科目「リビングデザイン」(生徒10人が選択)を活用。昨年9月から振興局と町が連携し、木づかいプロジェクト検討委員会(高田傑委員長、7人)を講師とした講義やワークショップ(WS)を計12回開き、生徒のアイデアで玄関フロアの木質化を進めてきた。

 今年1月下旬から、生徒がマトリョーシカ式スツール&テーブルの大と小、巨大いすとカウンターテーブル・木製ホワイトボード、家の構造を学べるミニチュアを作った。家づくりは17日に行い、幅1・8メートル、高さ2メートルで密閉せず、自由に出入りができる設計にした。生徒たちは道南スギとトドマツを使い、土台をつくり、柱を立て、梁(はり)と桁(けた)を載せ、棟木(むなぎ)を取り付け、屋根を張った。組み立てや接続、打ち込みの作業に悪戦苦闘しながらも、生徒たちは真剣に取り組んだ。将来的に壁張りのアイデアが出てくる可能性も。最後に道産木材製品のブランド「ホッカイドウウッド」の焼き印を押し完成した。

 同校は生徒数の減少で、玄関フロアは両端を除き下駄箱を撤去し、広い空間が存在していた。校舎の一部を可能な範囲で道南スギを活用して木質化し、環境改善を進める考えで、地域材をPRしたい振興局と思惑が一致した。

 振興局林務課の牛尾守主幹は「生徒の構想が形になり、うれしさがあったようだ。2年生はあと1年学校生活が残っており、木工製品を使い、快適に過ごすとともに、道南材の良さを感じてもらえたらうれしい」とした上で「他の学校でも木質化実践の要望があれば、プロジェクトを継続したい」と話している。