年末年始はふるさとの酒で 網走の地酒を蔵出し 辛口の「君が袖」限定発売
【網走】長く市民に愛される網走の地酒「君が袖・しぼりたて生酒」がこのほど、蔵出しされた。網走市酒小売組合君が袖蔵部(クラブ)の加盟店は、15日から数量限定で特別発売している。
君が袖は1929年、旧田邊本店が生み出した銘酒。一時は歴史から姿を消していたが97年に網走市酒小売組合が復活させた網走の地酒。
新しい命が吹き込まれた銘酒は、君が袖蔵部の加盟店主らが大切に守り育て、市民に愛されながら今年、復活25周年を迎えた。
名前は、奥深い恋愛を表現した万葉集の傑作の一つ「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」に由来している。
今回、限定発売した「しぼりたて」は、出荷前の加熱処理「火入れ」や「ろ過」を行っていない原酒を瓶詰めした本醸造酒。
酒米は厳選した酒造好適米を使用し、元網走市長の故・安藤哲郎氏が命名した網走の名水「桂の水」を仕込み水に使っている。
きりっと小気味いい辛口の「冬の生酒」は、多くの市民からの好評を得て2013年と15年、17年から毎年冬季限定で販売している。
今年の出来は、辛口で良好な切れ味がさえ、君が袖蔵部の〝酒屋の主人〟たちも「うまい」と太鼓判を押す。
無ろ過、無調整の原酒独特の酵母を含み、発酵の炭酸ガスがかすかに残る。
爽やかな新酒香が鼻に抜け、純米特有ののど越しと新酒の力強さを味わえるのが特徴。加水などの調整を行わないため、アルコールは通常よりも3度ほど高い18~19度の仕上り。「冷(ひや)」で飲むのがおすすめ。
同組合は「旬の味覚と合わせて楽しんでもらいたい。魚介類や鍋物によく合う。年末年始のご自宅用にも好評です」と話している。
価格は1.8㍑瓶が税込み3180円、720㍉㍑が1782円。問い合わせは同組合(☎44―7431)へ。取り扱い店は▽梶川商店▽松本商店▽石塚商店▽森川商店▽丸北北都▽道の駅流氷街道網走▽網走番屋オホロコマ