小学校を訪れ漁業講話 ふるさと給食に合わせ 西網走漁協青年部
【網走】地産地消を促すとともに、子どもたちに網走の基幹産業である漁業を知ってもらおうと、市内小中学校の給食で11月中、網走の海産物を使った「ふるさと給食」が行われている。17日には西網走漁協青年部の人たちが網走潮見小を訪れ、児童に網走の漁業について講話した。
同小を訪れたのは、山本正樹青年部長ら4人。体育館に集まった3年生に、漁で使う漁具を見せながら、ホタテ漁とタコ漁を説明した。
網走のホタテ漁は、稚貝を育成、放流して育ててから漁獲する増養殖事業が確立されている。
講話でも、採苗器や「座布団かご」と呼ばれる、増養殖で使う独特の漁具を見た児童は「何だあれ」「座布団?」などと、みな興味津々だった。
ホタテ漁や加工は、映像で紹介した。手作業でホタテの殻を取り外す様子に、みな驚いていた。
続くタコ漁では、網走で古くから行われている「箱漁」を説明した。
タコの生態を利用したこの漁法を説明するため、持参した木製のタコ箱を見てもらいながら、タコ漁の映像を映し出した。
ここで、青年部の人たちが、児童に「箱に入ったタコを出す方法は?」と質問。「押し出す!」「餌でおびき寄せる」「出てくるのを待つ」など、児童からはさまざまな意見が出たが、正解は「箱に手を入れ、タコの眉間に塩を塗る」。
実際に塩を塗られたタコが、箱から出てくるのを見た児童は「ほんとだ!」と、映像に見入っていた。
タコの生態の中で、児童が一番驚いていたのは「タコには心臓が3つ、脳が9つあると言われています」と聞いた時。みな「えーっ!」と声を上げていた。
午前の授業が終わり、待ちに待った給食になると「ホタテとタコの炊き込みご飯」が提供された。
市が給食用に、冷凍のホタテ貝柱63㌔と、冷凍のタコ33㌔を提供し、11月中に市内小中学校で1回、提供される特別メニュー。みなそのおいしさに舌鼓を打っていた。
特に講話を聞いた3年生、4年生は、ご飯をほおばりながら「このタコは吸盤がきれいに並んでるからメスかな」など、講話で得た知識をさっそく生かしていた。