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室蘭民報

個人の依頼、粋な連携 鋳物ストーブ部品修理、永澤機械と室蘭テクノセンター【室蘭】

連携して女性(中央)の依頼に応えた辻田課長(右)と堀井さん

ものづくり技術生かし代替品製作

 これぞ、ものづくりのまちの底力-。精密機械加工の永澤機械(室蘭市東町、永澤優社長)が、室蘭テクノセンター(同町)を介して依頼を受けた個人所有のストーブの部品を修理。扱っていない鋳物を、ステンレス製で代替した。一般からの修理は受けていないものの、ものづくりの連携プレーで依頼に応えた。

 1カ月ほど前のこと。1人の女性が、室蘭テクノセンターを訪れた。企業支援を行っていることから、会社関係の利用者がほとんど。一般の人が尋ねることは少ない。市内在住の女性は部品を持参して、職員に尋ねた。「これを直すことができる会社はありますか?」

 築40年以上の自宅とともに家庭を支えてきたストーブ。台所にあり、レンガの内壁を配管が通り室内を暖めている。持ち込んだ部品は、2枚組の円状で、ストーブ上部にはめ込むタイプ。お湯を沸かすことができるほか、煮炊きした料理の保温にも便利だった。

 一度修理に出したこともあったが、その後は経年劣化でゆがんだほか、すすも出てきた。複数社に確認したが「修理は困難」との回答だった。不安もよぎったが、以前、サークル活動でミンクールを訪れていたことから、室蘭テクノが隣接していることは知っていた。

 「一般の人が訪れるのは、あまりないですよ」。応対した室蘭テクノ職員の堀井剛志さんは驚いたものの、女性の思いをくみ取りつないだ相手が、MAS-NET(室蘭航空宇宙産業ネットワーク)でも連携している永澤機械だった。

 熱でゆがみすすもこびり付いていた鋳物に代わり、耐熱性のあるステンレス素材に変更。直径24センチ、15センチ二つの部品を用意した。シルバーが、ストーブの黒色との調和もぴったり。

 同社営業部の辻田将征課長は「本来、一般からの依頼は受けていませんが、室蘭テクノと日々連携していることもあり、挑戦しました。実際にストーブを直接見る必要もあったので、地元の企業だからこそできることですね」と振り返る。

 10日に、女性宅に納品した。女性は「素晴らしい完成度。ありがたいですね」と感謝していた。

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