イチゴで地域活性化 苫東ファーム×もりもと×JALスカイ 限定スイーツを共同販売
苫東地域でイチゴを栽培する苫東ファーム(苫小牧市柏原)と千歳市の菓子製造もりもと、航空会社JALスカイ札幌の3者が連携し、道産イチゴのアピールに乗り出す。クリスマスなどのイチゴ特需期に合わせ、もりもと、JALスカイが収穫作業を手助けし、限定スイーツを共同販売する。地域の活性化と経済好循環などが狙いの6次産業化で、3者は「道産イチゴを知ってもらう機会になれば」と意気込んでいる。
もりもと、JALスカイの従業員約10人が14、15両日、苫東ファームでイチゴの収穫、選果などの作業に当たった。イチゴをふんだんに使った限定商品「苺(いちご)の王様ショート」(税込み600円)に使い、17~19日に苫小牧柏木店、イオンモール苫小牧店、千歳本店で販売する。来年1月にも同様の取り組みを予定しており、ケーキと苺大福の限定商品を販売する。
もりもと、JALスカイは今年6月から、持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目指し、道内各地の特色ある果物の共同収穫、スイーツ化を進めてきた。6月に後志管内仁木町のサクランボ、7月に千歳市のハスカップでそれぞれ取り組み、第3段として苫東ファームのイチゴに目を付けた。もりもとの森本真司社長は「6次産業化で地域の活性化につなげたい」と来年度以降の事業継続を見据える。
苫東ファームは栽培温室施設約4ヘクタールで、高品質イチゴを年間約220トン生産している。パートら約40人体制で収穫、選果などの作業をしているが、クリスマスの特需期には喉から手が出るほど人手がほしい。同社の青山征紀副社長は「イチゴは繊細で触ると指紋が付く。洋菓子の飾りになるのは4割程度」と話す。一方、クリスマス向けの生産増で年明けはだぶつき気味になるため、需要増や認知拡大の取り組みを歓迎する。
14日に収穫作業に汗を流したもりもとのパティシエ、中津秀章さん(32)は「イチゴがここまで繊細とは」と驚き、「今後は一粒一粒、丁寧に作業したい」と笑顔を見せた。新千歳空港のグランドスタッフ(地上職)、JALスカイの矢野加珠さん(23)は「指の跡が付かないように作業した。自分の取ったイチゴをおいしく食べてもらえたら」と話していた。