フォトブックやカレンダーをＰＲする熊谷さん

　室蘭市港南町の野鳥写真家、熊谷勝さん（６３）のフォトブック「クマさんの野鳥日誌」（フルカラーＡ５判、１２８ページ）がこのほど、青菁社（せいせいしゃ）から発行された。主に室蘭市内に生息、渡来する４４種類の野鳥を撮影した写真を、生態や撮影時のエピソードを交えながら紹介している。熊谷さんは「工業都市室蘭の自然の魅力が詰まった一冊に仕上がった。身近にいろんな鳥がいることを知ってもらえたら」とアピールしている。

　熊谷さんは岩手県一関市出身。陸上自衛隊仙台駐屯地写真班を経て、１９８０年（昭和５５年）に室蘭へ移住。以来、絵鞆半島をメインフィールドに長年にわたって野鳥を撮影し続けている。これまでに１０冊の写真集を発売。フォトブックは今回が初めて。

　熊谷さんが室蘭に移住してから、これまで撮影してきた野鳥は２００種類以上。鳥の姿が浮き上がり、背景が陽光できらめく逆光での撮影にこだわってきた。愛用の望遠レンズ（ニコン６００ミリＦ５・６ＭＦ）を手に三脚をほとんど使用しない撮影スタイルで、作品に魅せられたファンが全国にいる。

　「好みの背景があって、そこに鳥が来て、早朝や夕方のわずか３０分程度の光の当たり方を狙っている。大変な作業だが、イメージ通りの写真が撮れたときはもちろん、鳥の羽ばたきなど予想以上の写真が撮れたときが一番うれしい」と野鳥撮影の魅力を語る。

　フォトブックは、会心の写真を厳選した集大成となる一冊で、春夏秋冬それぞれの季節で魅力的な鳥たちの一瞬の動きをとらえている。「室蘭は道内と本州を移動する渡り鳥たちの中継地。全国を見渡してもこんな所はない。これからも室蘭の魅力を伝えていきたい」と話している。

　定価１９８０円。全国の書店、インターネットで発売中。道の駅みたら室蘭でも取り扱っている。カレンダー「愛らしい鳥たち２０２２」（１１００円）も同時発売している。購入や問い合わせは熊谷写真事務所（室蘭市港南町２・２４・３）、電話０１４３・２４局３４２３番へ。