北海道剣道連盟理事で、伊達市内の伊達網代道場館長坂本敬一さん（６１）＝市内梅本町＝が長年のスポーツ振興や後輩育成を高く評価されて、本年度の生涯スポーツ功労者として文部科学大臣表彰を受賞した。「子どもの笑顔が励み。今後も師弟同行の精神で、稽古に励んでいきたい」と笑顔を見せ、気持ちを新たにしている。

　同表彰者は、各都道府県や日本スポーツ協会、日本レクリエーション協会などからの推薦を受け、文部科学大臣が審査し決定する。本年度は全国で１６１人が受賞。道内からは坂本さんを含め７人が選ばれた。

　坂本さんは壮瞥町出身。７歳から竹刀を握り、現在は剣道教士７段。２０歳で市内の建設会社に就職。１９８５年から伊達網代道場剣道スポーツ少年団の指導員として尽力する。過去には、中学生団体を全国優勝に導くなど道場の名を全国区にした。２０１９年にはこうした功績が認められ日本スポーツ少年団顕彰を受賞している。道剣連理事も務める。

　「地域に、そして子どもたちに恩返しがしたい」と指導者の道に入った。基本に忠実、礼儀を重んじる稽古方法を徹底する。時には厳しく、時には楽しくを大切にながら子どもたちと向き合う毎日だ。「子どもの笑顔を見ると元気をもらえる」と笑う。

　基本、礼儀、約束を重んじる指導は「大人になってもより長く竹刀を握り続けてほしいから」との願いから。剣道を通して自主的に考え、精神的に大きく強くなる剣士の育成を目指す。「しっかりと人間的に成長し、善悪の判断ができる大人になってほしいですね」と願いを込める。

　表彰式は１３日に東京都千代田区の中央合同庁舎であり、室伏広治スポーツ庁長官から表彰状を受け取った。「ますます子どもたちと稽古し剣道を広めたい。裾野を広げたい。そして一人でもここから指導者が出てくれたらうれしい」