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釧路新聞

長倉さん写真集刊行 「ひろい海にぼくたちは生きている」【釧路市】

 釧路出身のフォトジャーナリストで2023年度に児童文学に貢献した作家などに贈られる「巌谷小波文芸賞」を受賞した長倉洋海さん(19年度釧新郷土芸術賞特別賞受賞者)がアリス館(東京・文京区)から写真集「ひろい海にぼくたちは生きている」を刊行(31日初版発行)した。長倉さんの名前「洋(ひろ)海(み)」は祖父が「これからはひろく海を越えて世界の人と交流しなければならない」という思いを込めて命名した。まさに今回の写真集は名実ともに世界を歩んできた長倉さん自身の思いが収録されている。

 写真集の表紙は南の海と共に暮らす少女のあどけない表情のアップ写真から始まる。そして表紙をめくると大きな青い海に飛び込む少年の姿が見開きの大画面で登場する。

 長倉さんは写真集の中に心の言葉を書き込んでいる。「キラキラ光るひろい海の向こうに、どんな世界があるだろう。その先で、どんな人たちが生きて、どんな暮らしをしているのだろう」と今回の1冊のテーマについて思いを投げ掛けている。そして次々に海と共に暮らす子供たちや若者たちの素顔が登場する。

 「海から上がってきた若者が言った。海は、だれの持ち物でもない。みんなのもの(中略)だれだって自由に入ることができる」と写真に映る子供たちの思いを記している。

 さらに父親が捕ってきた大きなマグロを誇らしげに持ち上げている少年の写真には「ぼくもいつか、こんな大きなマグロをとるよ」と少年の思いを表現している言葉が続く。

 さらに島の子供たちが友達と遊び、笑顔を見せる光景やラグビーボールのような大きなヤシの実を抱える子供たちの表情を写した写真も。長倉さんは「暖かく自然豊かな南の島では、貯蔵はしない。食べ物は手を伸ばせばすぐに手に入れることができるだけでなく、蓄えることは、富めるものとそうではない者に分けられるから」と実際に島の生活を体験した人でなければ分からないこと、肌で感じた思いを語る。

 写真集の後半には美しい夕陽に染まる浜辺を歩く2人の少年の写真に「さまざまな民族が境界をつくらず、共に生きていく」と書き込み、最後の言葉に「国境や、人とのへだたりのない海を、ぼくも、心の中に持ちたい。いつでも自由に、軽やかに、こぎ出していける海を」と結んだ。定価1800円(税別)。

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