初段位に合格した長谷川さん（左）と四段位を手にした奈良さん

　上川管内東神楽町であった全麺協（東京）主催のそば道段位認定会（１１月１６、１７日）で、ななえ手打ち蕎麦（そば）愛好会（木下松幸会長）所属の奈良真理さん（７２）＝七飯＝が四段位、長谷川晃弘さん（４２）＝同＝が初段位に合格した。２人は次の目標に向け、意欲を高めている。

　素人のそば打ち段位認定は初段から八段まで段位があり、現在、有段者は全国で七段までしかいない。

　奈良さんは、２０１９年１月に入会。初段位、二段位、三段位と全て一発合格し、２年間の勉強を経て今回四段位に挑んだ。週に１回、町緑町の道場に通ってそば打ちの練習に励んだ。

　四段位の試験は、そば粉１・１キロ、小麦粉（中力粉）１００グラムで、４０分以内に片付けまでを終わらせる。奈良さんは「そば粉がいつも使う道産でなく、長野産だったが、慌てず練習通りできた」と振り返る。四段位について、奈良さんは「単なるそば打ちだけでなく、そば打ちの普及活動や人材の育成などの課題に向き合う姿勢が求められる」と強調。そば打ちは気温、湿度によってそば粉と水の分量を変える必要があり「『粉を読む』と言うほど奥深いのが魅力」と奈良さん。

　長谷川さんは、仕事先で出会った会員と意気投合し、もともとそば打ちに興味があったこともあって今年２月に入会した〝ルーキー″。見学や体験を経て、本格的にそば打ちを始めたのは４月だという。

　練習は、仕事終了後に多いときで週に３回、緑町の道場に通ったほか、毎月第１・３日曜に町文化センターで開く例会にも参加し、先輩有段者から技術を教わった。

　本番はそば粉５００グラム、中力粉２００グラムを使い、制限時間は４０分。長谷川さんは「作業工程、そばの出来、片付けを含め今までで一番うまくいった」とした上で「合格し、ほっとした。来年は二段位に挑戦したい」と意欲を燃やす。

　知り合いから依頼を受け、年越しそばは、そば粉１５キロを使い８０人分を作る。「自分で努力し、技術が身に付くのがうれしい。何より自分の作ったそばを『おいしい』と言ってくれる人がいるのがやりがい」と笑顔を見せる。