混雑解消へ実証運行、快速バス 登別洞爺広域観光圏協【登別】
荷物スペース/タッチ決済
登別市、道南バス、国土交通省北海道運輸局室蘭運輸支局などで構成する北海道登別洞爺広域観光圏協議会(会長・小笠原春一登別市長)は1日、中華圏の旧正月・春節(1~2月)にJR登別駅が観光客で混雑するオーバーツーリズム(観光公害)解消のため、同駅と登別温泉を結ぶ路線の快速バスの実証運行を開始した。
国土交通省の共創モデルプロジェクトの補助金を活用し、事業費980万円で道南バス(室蘭市)を通じてバス2台を導入。車内に荷物専用スペースやクレジットカードのタッチ決済が可能な専用端末を設置した。
道南バスのダイヤ改正に合わせ、同駅から登別温泉バスターミナルまでの区間は各停から登別伊達時代村前のみ停車に変更。従来の各停便も運行し、観光客と地域住民が乗車するバスをすみ分けしやすくした。
快速便は1日20便運行し、運賃は一律大人350円。定員は80人で荷物専用スペースはキャリーケース18台分を置くことができる。荷物を通路に置くことがなくなり、これまでより20人ほど多く乗車できるようになる。
初日は各便とも多くの観光客が乗り込み、早速キャリーケースを荷物専用スペースに置く姿が見られた。道南バスによると、春節時は4台を増便して5台体制で運行することもあり、運転手不足も相まって運行における課題となっていた。
髙本克彦営業部長は「乗車密度を高めることができ、増便の数も抑えることができるので運転手不足の問題も緩和できる。運賃も一律にすることで運転手の負担軽減にもつながる」と歓迎する。
同協議会事務局長の渡部光夫登別市観光経済部次長は「観光客がたくさん来てくれることはうれしいが、地域住民との共生も重要。バスの導入で双方スムーズに気持ちよく利用してもらえるのでは」と期待している。
実証運行は11月まで。12月以降は道南バスによる通常運行が行われる。
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