十勝の酵母でチーズ開発へ 冷凍保存研究にも成果 「食加技プレゼン」【帯広】
とかち財団(帯広市、金山紀久理事長)は19日、市内の十勝産業振興センターで「食加技プレゼンテーションデー」を開いた。財団の研究担当者らが登壇し、食品加工に関する研究成果を報告した。
食品関係の事業者や教育関係者など41人が参加した。研究報告では、初めに道立総合研究機構食品加工研究センターの東孝憲氏が、2021年から取り組んでいる「道産コーンウイスキープロジェクト」の進捗(しんちょく)などを報告。その後、同財団ものづくり支援部食品技術グループの職員が登壇し、それぞれの研究成果を発表した。
川原美香課長は、日持ちしないフレッシュチーズの流通拡大に向け、製品の食感や味を損なわない冷凍保存方法を研究。糖類添加による冷凍耐性向上の検討や、使用する冷凍機器による凍結条件の比較を行ったところ、「水あめ混合と液体凍結技術の組み合わせが最も品質が保たれ、応用が可能」(川原課長)という結果が分かった。
研究は乳業大手明治(東京)との共同研究として進めており、今年始動したチーズプロジェクトについての発表もあった。十勝由来のカビや酵母を用いて十勝ならではのチーズの開発を数年計画で行う予定で、現在、原料として有用な菌類を探しているとした。
このほか、横山真由子研究員が牛肺の利用促進のための加工方法の開発について、高谷政宏研究主査が赤ビーツジュースの高付加価値加工方法の検討、水谷香子研究副主幹がエゾシカ肉の未利用部位を活用した製品に関する研究に取り組み、スライドを用いて成果などを報告した。
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