果敢に高波に立ち向かう神輿

【えりも】町内えりも岬地区の襟裳神社秋季例大祭が22日宵宮祭、23日本祭りで行われ、祭りのハイライト「神輿（みこし）の海中渡御」では、大勢の観客が見守るなか、”海に生きる男の心意気”を誇示した。

　本祭りの神輿巡行は、かつて江戸時代後期に襟裳神社が創建された襟裳岬突端で、町郷土芸能「襟裳神楽」の舞いを奉納して巡行開始。岬駐車場を経由し、市街随所で、地域の安泰と豊漁を祈願。

　えりも岬漁港隣接の広場では、襟裳神楽と少年神楽の勇壮な演舞、保育所園児の可愛いヨサコイソーラン、漁協えりも岬女性部と小町会による「共済音頭」と「マリンちゃん」などを軽快や優雅に舞って祭りを盛り上げた。

　午後からは、神輿巡行のハイライト「海中渡御」。25人の若者に担がれた神輿は、好天ながら荒波寄せる渚に下りて、和太鼓の音に鼓舞されながら寄せては返す荒波に果敢に立ち向かい、漁師の逞しさと心意気を誇示。それをコンブ小屋が建ち並ぶ大下まで数回繰り返し、大勢の見物人がカメラを向けながら拍手で称えた。

　札幌市から親子４人で正午頃、襟裳観光で訪れた大滝弘一さん（41)は「地域の人から神輿の海中渡御があると聞いて、珍しさに引かれて訪れたが、海の男の逞しさを実感できた。都市には無い良さとまとまりを感じた」と話した。