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十勝毎日新聞

亡き仲間のため心一つ 「つばさバンド」28日に復活演奏【音更】

 音更町内の福祉施設を利用する知的障害者らを中心につくる「つばさバンド」(栗林美穂代表、メンバー13人)が28日、町内の社会福祉法人音更晩成園(東士狩西6線、吉本隆嗣理事長)で開かれるオータムフェスタ(同法人主催)で活動再開後初めて演奏を披露する。昨年、新たな指導者に帯広市在住の音楽講師池田知佳士さん(72)を迎え練習を重ねてきたが、メンバーの一人だった高橋健太郎さん(享年50)が昨夏に急逝し、仲間の思いを背負ってのステージとなる。

28日の本番に向けて最終練習をする「つばさバンド」のメンバーら

 本番のステージは同園敷地を会場に午前10時から、電子ピアノ、ドラム、ベースギター、エレキギター、アコースティックギター、マリンバ、ボンゴ、電子クラリネットなど保護者や関係者含め18人が出演を予定している。

 つばさバンドは、コロナ禍の中で活動を休止している間に指導者不在となり、存続の危機に直面。解散寸前のバンドの窮状を聞きつけた池田さんが指導者を買って出た。

 池田さんの指導の下、昨年7月23日に初めて練習をしてから、月1回第4日曜に2時間ほど、町総合福祉センターで練習を重ねてきた。池田さんは「本番では楽しく演奏し、見ている人たちにその雰囲気が伝われば」と話す。

 存続の危機を乗り越え順調に練習を重ねていた中、バンドは不運に見舞われた。昨年8月8日にマリンバを担当する高橋さんが、急性くも膜下出血で急逝した。バンドメンバーたちは大事な仲間を失ったことで、悲嘆に暮れて一時期は活動が難しい状況に陥った。

「つばさバンド」の存続を訴えた生前の高橋健太郎さん=2023年6月4日、音更町総合福祉センター

 そんなバンドを救ったのは、高橋さんの姉敦子さん(51)だった。敦子さんは「大好きな弟の代わりにメンバーとして演奏させてほしい」と名乗り出たことで、消えかけていたバンドに再び灯がともった。メンバーらは「仲間の分まで頑張ろう」と心を一つにした。

 今月22日、同センターで行われた本番前最後の練習にはメンバーら12人が集まり、演奏予定曲を練習した。当日は、ゴダイゴの「銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)」、坂本九の「上を向いて歩こう」、スピッツの「優しいあの子」など6曲を約25分間にわたって演奏する予定だ。

 3曲はボーカル付きで演奏する。このうち「翼をください」(村井邦彦作曲)は、池田さんが録音していた、高橋さんの練習時の歌声を流し演奏する。

 ドラムを担当する高金実理さん(46)は「本番ではみんなで心を一つにして演奏したい」と意気込みを見せる。バンドメンバーの保護者でもある栗林代表(72)は「みんなで楽しく演奏できれば」と本番を心待ちにしている。

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