ＡＫＢ48の水島さん（中央前）が農大生と特殊詐欺の撲滅に向け、意見を交わした

　【網走】オホーツクでの犯罪を根絶しようと、人気アイドルグループＡＫＢ48の水島美結さんがこのほど、東農大オホーツクを訪れ、網走で暮らす大学生と防犯をテーマに意見交換した。

　水島さんは北海道出身の19歳で、ＡＫＢ48の17期メンバーとして芸能界デビュー。警察庁のプロジェクトチーム「ストップ・オレオレ詐欺47～家族の絆作戦～」にＡＫＢメンバーとして参加し、警察庁特別防犯対策支援官として、全国で活動している。

　今回は水島さんと同年齢の農大生を、社会問題化する闇バイトや特殊詐欺の被害から守ろうと、同大キャンパスで意見交換会を開いた。

　会場となった大講義室には満席の学生が詰めかけ、水島さんが登場すると本物のアイドルに対するどよめきとため息に続き、万雷の拍手であふれた。

　水島さんは、特殊詐欺の被害者の多くは高齢者で、犯人は子どもや孫になりすまし、言葉巧みに現金をだまし取ると指摘した。

　被害を防ぐため、日常的に家族とコミュニケーションを取り、本人と犯人の〝違い〟が分かるようきずなを深めることが重要とアドバイスした。

　その上で「大切な家族がいつ、被害に遭うかわからない。今日の意見交換を気に、家族にしかわからない合言葉を考えてください」と話した。

　農大生からは「わたしはペットの名前を合言葉にしたい」などの意見が出た。

　また、水島さんは「自分自身が特殊詐欺の実行役にならないことも大事。ＳＮＳの高額バイト、即日即金、荷物受取、簡単など、仕事の内容を明らかにしないで１日で数十万を稼げるというものは闇バイトです」と説明した。

　続けて「強盗や特殊詐欺の実行役となり、学生証や運転免許証の写真を求められるほか、交際者や親の住所、名前、勤務先まで教えることになり、辞めるといっても自宅に押し掛けるなどと脅され、逮捕されるまで犯罪を繰り返すことになる。絶対に実行役にならないで」と呼び掛けた。

　農大生は水島さんのアドバイスを聞き入り、特殊詐欺や闇バイトの実態について、改めて認識を深めていた。

　北海道警察によると本年、オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺などの特殊詐欺事件は約１２０件発生しており、被害総額は２億８千万円に達しているという。