菜の花酵母の「五稜」仕込みへ、「高専プロジェクト」始動【函館】
函館五稜乃蔵(函館市亀尾町、漆嵜照政社長)は、函館高専などと連携し、地元の素材のみを使用する日本酒「五稜特別純米酒:菜の花酵母(仮称)」の仕込みに着手し、年内にお披露目する。同高専の小林淳哉教授らが市内に自生する菜の花から採取し、培養した「菜の花酵母」を使用する。
同酒蔵はおととし、函館市内で54年ぶりに誕生。上川大雪酒造(上川管内上川町)の川端慎治副社長が総杜氏として陣頭指揮を執り「五稜」ブランドの地酒を生産する。一方で併設の「函館高専醸造ラボ」では「五稜乃蔵高専プロジェクト」と銘打ち、オール函館材料(酵母、水、米、蔵)での生産を目指し、小林教授らが菜の花酵母の研究に取り組んできた。
今夏に生産のめどが立ち、地元産の酒造好適米「吟風」を使い、10月末にも仕込みに入ることを決めた。初仕込みは720ミリリットル瓶で2800本分を生産する。11日に行った記者発表で明らかにした。
小林教授は「長年の夢が実現し、とてもうれしい。おいしい酒ができる」と期待。函館高専特認教授も務める川端総杜氏は「花酵母は強力な発酵力で感心している。個性的な酒ができると楽しみにしている」と述べ、漆嵜社長は「市民の皆さまにも味わってもらう機会を設けたい」と話した。
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