31日まで「秋のヒグマ注意特別期間」 キノコ狩りなど注意【函館】
道は31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」と設定し、ヒグマによる人身被害を防ごうと啓発を行っている。秋はキノコ狩りやハイキングで山に入る機会が増えることから「一人で野山に入らない」「野山では音を出しながら歩く」ことなど注意を呼び掛ける。
期間は9月2日~31日。ヒグマにとって春は冬眠明け、秋は冬眠を控え餌を求めて活発に活動する。さらに春は山菜取り、秋はキノコ狩りで人が山に入る機会も増えることから、人間との遭遇リスクが高まる季節とされる。
道によると、道内の1989年~今年7月末の被害者数は死亡が20人、負傷が41人の計61人。月別でみると、被害者数は4月が最も多く12人、次いで10月が10人で2番目に多い。被害者の活動(89年~今年7月末)の内訳は山菜、キノコ狩りが半数を超える52%で、山林作業13%、農作業10%、釣り5%と続き、その他が20%となっている。
過去10年間、渡島管内で秋(9~10月)に発生した事故では2013年9月に函館市の60代男性がヤマブドウ狩りで負傷、18年10月には八雲町の50代男性がキノコ狩りで負傷した。
道は注意特別期間の取り組みとして、リーフレットの配布やポスターの掲示、ホームページ、SNSによる注意喚起を実施。野山に入る際に気を付けるべきポイントとして▽食べ物やゴミは必ず持ち帰る▽事前にヒグマの出没情報を確認する▽薄暗い時には行動しない▽糞や足跡を見たら引き返す―といった点を挙げる。
さらに今年は松前町で9月からクマの目撃が相次ぎ、道は26日まで町全域に「ヒグマ注意報」を発令中で、野山に入る際には一層の注意が必要となる。渡島総合振興局環境生活課は「山に入るときは一人ではなく、複数で行動してほしい。鈴やラジオなど鳴り物を身に付け、人の気配を伝えるなどヒグマに遭わない工夫をしてほしい」と呼び掛ける。
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