あの日、忘れない 胆振東部地震5年 厚真で追悼の祈り
2018年9月に最大震度7を観測し、道内で44人が死亡した胆振東部地震の発生から6日で5年を迎えた。災害関連死を含む37人が亡くなるなど最も大きな被害が出た厚真町では、多くの遺族や町民らが故人をしのび、冥福を祈った。町役場では地震発生と同時刻に町職員有志らが黙とうをささげ、吉野地区に設置された献花台の前では、人々が静かに手を合わせるとともに復興への誓いを新たにした。
5年の節目に合わせ、町役場前には町職員有志が集まり、コロナ禍で見送っていた追悼セレモニーを3年ぶりに実施した。震災では、まちづくりのリーダー格として周囲を引っ張ってきた町役場職員の中川信行さん=当時(62)=が吉野地区で命を落としている。
参列した職員らは「あの日を忘れない」「着実な復興に向かって頑張ろう厚真」「次世代へ伝えていく」などとメッセージを記した37個の紙コップに入れたキャンドルで樹木を囲い、地震が起きた6日午前3時7分に合わせて約1分間の黙とうをささげた。
同日正午には京町のつたえり公園にある慰霊碑を宮坂尚市朗町長らが訪れ、サイレンに合わせて黙とう。被災地は追悼の祈りに包まれた。
震度6強を観測した安平、むかわの両町では学校で防災集会や避難訓練、有志によるイベントなどが行われた。
胆振東部地震 2018年9月6日午前3時7分ごろ、胆振中東部を震源とする地震が発生。震源の深さは37キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6・7。厚真町で最大震度7を記録し、安平、むかわ両町でも震度6強を観測した。地震直後に道内のほぼ全域が停電する国内初のブラックアウトが起きた。道がまとめた被害状況(8月1日時点)によると、災害関連死を含む死者は、厚真町37人、苫小牧市2人、むかわ町1人、新ひだか町1人、札幌市3人の計44人、負傷者は785人。建物被害は住宅の全壊491戸、半壊1818戸に上った。
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