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日高報知新聞

2年連続秀作作家に 浦河町の田中郁子さん 第58回主体展で入選【浦河】

秀作に選ばれた「No58」(上)と「No58―holic」(下)

 浦河町姉茶在住で新道展会員の田中郁子さん(58)がこのほど、「第58回主体展」(主体美術協会主催)で入選し、2年連続の秀作作家に選ばれる快挙を果たした。この結果により田中さんは北海道でも5人程度しかいない主体展の会員にも推薦され、「身が引き締まる思い。今後も向上心を持って絵を描いていきたい」と心境を話した。

 主体美術協会は1964年(昭和39年)9月に結成。作家一人ひとりが創作を自由に発表できる場を確保し、美術家の集団として積極的に活動。世界的視野に立って、豊かな人間性を培いつつ、現実の日本に深く根を下した生新な芸術を創造していくことに期している。

 応募資格に国籍・経歴・年齢を問わず、サイズも制限がない。

 一般部門と新人部門応募者のうち、作品が優秀と認められた人を佳作作家、佳作作家のうち、特に作品が優秀と認められた人を秀作作家とする。今年度は全国各地の111人、126作品が入選。この中で秀作作家が18人、佳作作家には20人が選ばれた。作品は主体展で展示されている。

 S100号(162×162)作品「No58―holic」、F100号(162×130)作品「No58」の抽象画2点を出品。今までは赤を基調とした作品を手掛けてきたが、今回はニュートラルグレーを基調とし、新たなチャレンジをしたという。作品は2点とも秀作に選ばれた。

 昨年の初出品から2年連続の秀作は過去に例がないほどの快挙で、2年目での会員推薦も稀なことだという。作品名は創作時の年齢。

 田中さんは「今年の作品は昨年に比べ、自信もなく、納得のいく出来栄えではなかった」と振り返り、「2年連続で秀作をとれるとは思っていなく、それよりも会員になれたことのほうが驚きだった。今後はプロとして見られるため、厳しい評価や批判もあると思うが、いろいろなことにチャレンジして新しいことに取り組み、向上心を持って作品制作に励みたい」と話した。

 第58回主体展は東京都美術館で17日まで(午前9時半~午後5時半。最終日は午後2時半まで)開かれている。移動展の京都展は京都市京セラ美術館本館2階北で26日~10月1日まで、名古屋展は、愛知県美術館8階で10月17日~同22日までそれぞれ開かれる。

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