いじめ対策に研さん積む 浦河町現職教員研修に50人参加【浦河】
浦河町教委は8月25日、町総合文化会館ふれあいホールで今年度の町現職教員研修を開催した。いじめ問題をテーマに町内の小中学校教職員約50人が参加し、対応策などについて研さんを積んだ。
近年、通信機器の発達に伴い、いじめ問題はより複雑化、潜在化し、生徒指導上大きな課題となっていることから、いじめの定義などについて共通認識を図り、教職員全員で組織的ないじめの未然防止と早期発見、早期対応に取り組んでいくことを目的としている。
研修テーマは「学校は『いじめ問題』にどう取り組むべきか」。講師の日高教育局教育支援課義務教育指導班の髙嶋優美主任指導主事が、今年3月に改訂した「北海道いじめ防止基本方針」の趣旨や道内の現状、いじめ問題の組織的な対応と未然防止に向けた取り組みについて講話した。
研修会では、髙嶋主任指導主事が、北海道いじめ防止基本方針の改定の意図について説明。いじめを認知した学校の割合が全国よりも低いなどとした道内の現状を報告したうえで、全ての学校でいじめの見逃しゼロを目指し、早期発見・早期対応でいじめ事案の解消に結び付けることが必要と示した。
髙嶋主任指導主事は「児童生徒の感じる被害性に着目し、子どもが“嫌だ”と思ったらいじめだと考えてほしい。過去の事例にとらわれると発見が遅れる。空振りでもいいから積極的に認知することが大切」と指摘し、“いじめ見逃しゼロ”をキーワードとした組織的な対応を進めていくことを要請した。
最後に、浅野浩嗣教育長が「社会も子どもたちの環境も変わってきている。各学校では、先生たちが孤立することなく管理職と一緒に対応に取り組んでほしい。また、いじめの早期発見、早期解決に向け町内全ての小中学校の連携をお願いする」と呼び掛け、研修の成果に期待を寄せた。
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