苫小牧の粟根さんが美術協会純展全国公募展で文部科学大臣賞
東京都美術館で5月12~18日に開催された美術協会純展主催の第52回全国公募展で、苫小牧市澄川町の主婦粟根久美子さん(64)の抽象画「絵のスクラップ」が文部科学大臣賞に輝いた。最高賞の協会賞に次ぐ高評価で、粟根さんは「誰に何と言われようと、これで良いと思えた作品」としながら「入賞できるとは思っていなかった」と喜びをかみしめる。
受賞作は、F100号(縦1・3メートル、横1・6メートル)のキャンバスを大胆に使った色彩豊かな抽象画。アクリル絵の具からパステル色鉛筆までさまざまな画材を用いた。気に入った色が乗った「紙パレット」をちぎってボンドで貼り、絵筆だけでなく、指やペンティングナイフも駆使して多様な線や形を描いた。
幼少期から絵が好きだったという粟根さん。心引かれる風景などを感じるままに描きながら、独学で技術を磨いた。23歳で結婚後、娘2人が生まれ絵から離れた時期もあったが、子育てが一段落した40歳ごろから家事の合間に再び、絵筆を執り、積極的に各地の美術館に足を運んだ。
受賞作は「小さな頃に落書きしたもじゃもじゃ頭のような線のタッチを使ったり、文字を入れた表現に挑戦したりと新たな試みを行った」と粟根さん。カラフルな色調の中に配置された重厚な色味が特徴的で「夫がスクラップ回収業を営んでいる関係でよく目にしている鉄くずの色合いを取り入れた。見る人に自由に作品を解釈してもらえたら」と話す。
1979年から続く公募展には今年、国内外から油彩、水彩、日本画など約200点の応募があり、道内では粟根さんが唯一の入賞者。講評では「街や身の周りに氾濫するさまざまな形や色を、大胆かつ自由奔放なタッチで描き上げた秀作」と高い評価を受けた。
粟根さんは過去にも同展で新人賞などに選ばれており、「この公募展に育ててもらった。生きている限り、描き続けたい」と語り、新作の構想を練る日々だ。
関連記事
ポイ捨てゼロ願う ごみ拾い“袋文字” SNSで発信「皆さん考えて」【帯広】
帯広市西9南1の加藤芳規さん(82)は8年前から毎日、近所のごみ拾いを続け、ごみ拾いSNS「ピリカ」に、2週間分のごみを集めた袋で作る文字アートの写真を投稿している。これまで「ポ・イ・ス・テ」な...
マチルダ 袋いっぱい 大感謝祭【芽室】
芽室町内の農商工などが連携して町をPRするイベント「めむろ大感謝祭2024」(実行委主催)が23日、JAめむろで開かれた。大勢の家族連れらが訪れ、芽室の味覚を味わっていた。 「芽室に感謝す...
災害対応 海と空から 負傷者、物資の輸送訓練【広尾】
広尾署と広尾海保などは21日、広尾町内の沿岸部で、災害発生時の負傷者や救援物資の海上輸送を想定した合同訓練を実施した。巡視船「とかち」や道警の災害ドローンが出動、緊急時の連携対応を確認した。 ...
函館市南茅部地区パワースポット巡るモニターツアー 観光庁の地域観光新発見..
函館市南茅部地区のパワースポットや食文化に触れるモニターツアーが現地で開かれ、18人が参加した。参加者はパワースポット「吹上石(ぬけいし)」「垣ノ島遺跡の丘状遺構」を訪れ〝特別感″を満喫した。ア...
桜庭さん勝負の1年 ボウリング 12月マレーシアで大会 来年のデフリンピ..
函館市の会社員、桜庭まどかさん(36)が、12月1日からマレーシアで開かれるボウリングの第10回アジア太平洋ろう者競技大会に日本代表選手として出場する。来年11月に東京で行われる4年に一度の聴...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
道東道阿寒─釧路西 12月22日開通 札幌─釧路市街地直結【釧路市】
2昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
3函館市動物愛護管理センター開所 25日から運用 殺処分減へ【函館】
4トラウトサーモン安定的生産に期待込め 浦河港内で養殖試験 浦河町栽培漁業研究会 事業化に向け可能性探る【浦河】
5帯広畜大「ゼニ研」に前田一歩園賞 ゼニガタアザラシの個体数調査継続【札幌】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2タイ国鉄車両工場長 シンハカーンさん キハ183系を見学 安平
3昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
4釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
5旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】