ドクターヘリ、来年度中に函病屋上駐機本格実施を開始【函館】
道南ドクターヘリ運航調整委員会(浅井康文委員長)は、基地病院の市立函館病院(港町1)屋上にヘリコプターを常駐させる試験運航を今年度も継続する。8月上旬から11月下旬の約4カ月を予定。函館空港からの出動より時間短縮効果があり、実績を踏まえ、来年度中の本格実施を目指す。
16日に市内で開いた今年度第1回会合で決定。道南ドクターヘリは2015年に運航を開始。通常はヘリの格納庫がある函館空港から出動し、搭乗する医師、看護師は要請に備え空港で待機する。函病の屋上駐機試験は21年度から実施。搭乗スタッフが要請があるまで院内で通常業務が可能で、空港から出動する場合に比べ、病院周辺の出動場所までの所要時間が5分程度短縮される。
試験運航は21年10月に3週間、昨年は8月から3カ月間実施した。昨年度は騒音苦情が2件あり、会合では地域住民への騒音対策が必要との意見が出された。
本格実施に向けては、ヘリの給油時に空港まで往復する間、出動できない課題もある。今年度の試験終了後、12月中旬に会合を開いて実績を報告。運用上の課題を検証し、本格実施の時期を決定する。
このほか、22年度の運航実績を公表。要請件数は前年度比22件減の594件、出動件数は同24件減の442件で、21年度に次いで過去2番目に多かった。医療機関受入件数は同48件減の349件で、機関別では函病(138件)が最も多く、全体の4割を占めた。事務局は「新型コロナウイルス禍の制限もあり、全国的に出動件数が減っていたが、道南は400件台が続き、減少幅も小さい」とした。
また、20年6月からコロナ感染の疑いがある患者は搬送しない運用ルールを適用してきたが、感染症法上の5類に引き下げられたことを受けて6月1日から制限を解除したことを報告した。
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