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釧路新聞

少子化の影響、地方深刻 民間小児医院年内閉院【中標津】

12月いっぱいで閉院する中標津こどもクリニックの前で栗山院長

 【中標津】今年度こども家庭庁が発足し国が本腰を入れる少子化対策。その実効性が問われる中で、地方の少子化は進度が深刻だ。釧路、根室管内の町村のうち2万2573人(4月末)と最も人口が多く、子供も比較的多い中標津町では、民間の小児医院が将来的な経営難を理由に年内での閉院を決めた。病児保育など子育て支援を積極的に担ってきた医院の代表は、国が打ち出す施策に「もっと踏み込むべき」だと指摘する。

 今年中に閉院するのは中標津こどもクリニック(町東13北6)。院長の栗山智之さん(62)は2019年度末に経営が突如赤字となり疑問を持った。「今まで通りにやっていたのになぜだろう」。町の広報で毎月の出生数を調べると原因は明らかだった。

 開業した02年は年間260人以上の子供が生まれ、多い時は月に30人が誕生したが、最近は1桁の月もありその傾向は増えている。直近の22年度は年間129人で20年前の半分以下になっており「これでは赤字になる訳だ」と納得。「残念だがこの先、中標津の小児医療は町立病院で賄える」と理解し、閉院を決断した。

 ほとんどの自治体が前年度より人口を減らす中、中標津は10年前まで人口が増えていた。安定した出生数が背景にあるとされる。年間に生まれる赤ちゃんは06年度の279人をピークに12年度までは250人前後だったが、13年度以降は200人前後に減り、17年度に200人を下回るとコロナ禍以降は150人を割る現状で、出生数の低下が人口減少に拍車を掛けている。

 同クリニックでは15年度から病児保育を開始。基準のハードルが高いため実施する所は少なく、当時釧根管内では初だった。ピーク時は年間250人を受け入れた。栗山さんは、閉院後に共働き世帯やひとり親が預け先をなくすことに申し訳なさをにじませ「できればどこかでやってほしい」と話す。

 今国会で閣議決定された異次元の少子化対策「こども未来戦略方針」について岸田文雄首相は、若者や子育て世代の所得向上に最も注力すると表明したが、栗山さんは「今は子育てが罰ゲームになっている」とし「母親を労働市場にかり出す旧態の施策ではなく、子供そのものへの支援を思い切ってやってほしい」と話している。

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